2008年05月28日

デパチカの元気の秘密は「笑顔」

 とある日曜日、福岡市天神にあるデパートに、買い物に出かけました。地階の食品売り場で漬け物の特設売場がありました。

 自分の店の屋号が書いてあるはっぴを着た大将は、品定めをしている私たちお客にこんな風に語りかけました。

 「このべったらは、私が作った甘酒でつけてあるから、あっさりしていて、美味しいよ」。

 大将の穏やかで自然な笑顔は、商品への自信と誇りを感じさせてくれました。営業スマイルではく、自信に満ち溢れた笑顔。思わず「これだ」と膝を打ちたくなるほどでした。

 で、買ったかどうかって?もちろん、買ってしまいました。

 対面販売をする際重要なことは、商品の説明の仕方これは当たり前のことです。ただ、それだけでは、どんなに良いものも売れません。そうです。売り手側の「笑顔」が、大きなポイントなのです。
 
 笑顔なしで、「これ、美味しいよ」と訴えかけられて、買う気になるでしょうか? ならないですよね。
 「商品への自信」に裏打ちされた「笑顔」。これができるかできないかで、売れるか売れないかも決まります。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」14号 2003年5月15日号より抜粋、加筆、要約」)
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2008年05月24日

ある居酒屋チェーン店で驚いたこと

 普通の居酒屋なら、店員が応答で忙しかったりすると、「いらっしゃいませぇ。お飲物はぁ、何にしますかぁ」と、忙しそうに言われて、「生2つ!」と言って終わりです。「ありがとうございますぅ」という声は合ったとしても、お辞儀をされることなどまずありません。
 しかし、その流行っているチェーン店では、忙しいときでも、違うのです。 二人で入ってカウンターに座った後、アルバイトが最初に注文を取りに来たときです。「本日はご来店誠にありがとうございます。」と言って、お辞儀をしてから、「ご注文はいかがなさいますか?」と言ったのです。

 お金をかけずに、お客様を増やす方法。人は、ものを買ったり、食事をしたりしているようで、実は、「心地よいもてなし」を買いに来ているのです。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月23日

居心地のいい居酒屋と悪い居酒屋

 ある日入った、会社の近くの居酒屋では、大変がっかりした経験をしました。深夜で客は私一人でした。店長らしき人物は、料理を運び終えると、スポーツ新聞を読んだままで、私に一言も話しかけてきてくれませんでした。
 
 それから、できあがった料理を、カウンターの前の調理場から、片手で、直接渡されました。カウンターのショーケースの上には、ものがたくさんあって、調理場とのコミュニケーションを塞いでいるようでした。おまけに調理場が低くなっていないようで、板前さんに、上から料理を渡されるような印象がありました。
 
 結局、注文の時以外は店員の誰とも口をきくこともなく、店を後にしました。
 後に残ったのは、「ここにはもう二度と来ない」という気持ちだけでした。

 反対に、会社の近所のある居酒屋は、いつ行ってもにぎやかです。私もなぜかつい足が運んでしまうのですが、「居心地の悪い居酒屋」の経験から、その理由(ワケ)が分かりました。

 店員が明るくて、向こうから話しかけてきてくれます。カウンターが低くて、焼き場の店員と気軽お話ができます。料理はカウンター越しに渡さずに、必ず客席の方にホール係がでてきて、しかも両手でもって、「お待たせしました」と持ってきてくれます。もちろん忙しいときは、その限りではないこともありますが、少なくとも、がっかりしたことはありませんでした。
 
(それにしても、人前で新聞を読むというのは、結構印象の悪いものです。気をつけようっと)
(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月16日

コンサルを受けて成功する顧問先経営者の姿とは

 販促コンサルサービスというのは、実に怪しい。やっている自分でも、外から見たら「怪しいと思うだろうなぁ」とマジで思います。
 何をやるのか、よく分からないから。
 うちの社員でさえ、「社長、コンサルなんて怪しいことやって、大丈夫なの?」と思われていたくらいですから。

 たしかに、「本当に、効果があるのか?」 「効果がないものを高く売りつけるんじゃないのか?」 「高いところから、これをやれと指導をするんじゃないのか?」 「難しい専門用語を使い、高度なテクニックで、誰も分からないことを、自分だけ分かったようにしてやるんじゃないの?」 とか、普通の人だったら思うに違いありません。

 でも、実際、そんなコトは一切ありません。

 コンサルが果たす役割というのは、実にシンプル。
 それは、顧客の状況を把握し、課題を抽出し、目標を設定して、実施すること。
 実施に当たっては、その方法を具体的に支援すること。
 まず戦略を決め、戦術に何を使うかも情報を複数提供します。どれを選択するかは顧問先自身が判断します。

 実は、その中でも、顧問先の状況の把握というのが、極めて重要なのです。
 なぜかというと、その中に答えがすべて詰まっているからです。

 今の事業を始めた経緯や、前職の状況、幼少期や学生時代の趣味や嗜好、お子様や家族の状況など、クライアント先の経営者個人の状況や、売上の推移、顧客の声、再注文の状況、新規と既存客の状況などの事業の状況など。
 自身が顧問先の経営者にどれだけ近づくことができるかが、ポイントなのです。

 そして、ほとんどの場合、顧問先様の口から、何が強くて、何が足りなくて、今これこれこういう状況でチャンスで、だけどリスクもあってと言うことから、何をやらないといけないのかということまでが、出て来ます。ご自身はやらないといけないことは、実は分かっている。けど、気がついていないだけ。また、口には出るけど、その重要度の順位がつけられていないといった感じ。

 もう少し具体的に言うと、やらないといけないことは理解しているが、何を何からどう始めて、何を目指せばよいのかが、イメージでは分かっているけど、具体的にまとめられていないと言う感じ。
 まとまっていないから、「これをやるぞ!」ということが決まっていないだけなのです。

 私は、人生そのものをすべて聞き出す、日経新聞の「私の履歴書」担当の記者になったようなつもりでインタビューします。中には、感動や懐かしさで涙することもあります。

 そうやって聞き出した結果、クライアント先様自身に、大きくて輝いている宝物があるのに、それに気がついていないので、掘り出そうともしていないことが分かってきます。

 それを見つけて、それを掘り出すための具体的なプランをまとめて、実施の支援をしていく。
 こんなイメージなのです。

 だから、この宝物さえ見つかればシメたもの。もう、この時点でもうほとんど成功を確信できます。

 しかし、私が成功を確信しても、お客様がそれを理解し、アドバイス通りに実行なさるかどうかで、成否が分かれます。

 素直に聞き入れていただけること。とにかく、アドバイスを信じて、私を信じて、やっていただけること。
 たとえ本業が大変でも、朝早く起きるなどして、何とか時間を作って、販促に関わる必要な作業を、遅れてでも良いので、やっていただけること。

 成功できた方がやったことは、包み隠さずお話しいただいたことと、アドバイスを素直に聞き入れていただいたこと。本当に、それだけのことです。

 本当に、私のクライアント先様には、頭が下がります。よくぞ、信じて下さいましたと。そして、結果が出るのに多少の時間がかかるのにも耐えていただきましたと。

 感謝あるのみです。ありがとうございます!
(08年5月16日 田上恭由)
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2008年05月15日

「自営業でうまく行った方法は、企業では使えない」と思っている経営者へ

 「それは、自営業さんの事例だよね」

 はい、その通りです。私の指導事例は、自営業や小規模企業の方のケースが確かに多いのは事実です。

 でも、商売の本質を突き詰めていけば、そのようなことが愚問であることが分かります。

 商品を買うとき、営業マンや店員が気に入らなかったら、たとえトヨタやNTTやソニーの商品でも買わないでしょう? ブランドの力で指名買いする人は、気に入らない営業マンや店員だったら、よその会社や店に行って買うだけでしょう?

 福岡でシェアが高い事業を行っている方で、先日そうしたブランドの力が自社にあるという過信をしていると思われるケースがありました。
 販促を成功させるという視点で、これはこうした方がよいなど、具体的に有効なアドバイスをしても、全く耳を貸さない。その結果、ホームページの問い合わせが激減。そのデザインだと、問い合わせは減りますよと、事前に何度もアドバイスをしたのにもかかわらずです。

 では、ブランドがあれば、高飛車でよいのでしょうか。否、ブランドがあっても、顧客視点は忘れてはいけません。

 あのIBMは、法人営業チームがあり、担当個人名でニュースレターをメールで送ってきます。それも、月に何通も。
 マイクロソフトも、最近はなぜか減りましたが、昨年まではいろんなものがメールでガンガンお知らせが来ていました。電話もかかってきて、「先日メールでご案内させていただきましたが」と言われても、マイクロソフトからはたくさん来るので「えっと、どのメール?」と聞かないといけない始末。それくらいたくさん出している。
 九州営業所だってあり、しょっちゅうセミナーや最新技術のプレゼンが行われています。

 ソフトバンクは、1台だけ携帯を持っているのですが、やはり年に2,3回DMが来て、お友達紹介5,000円キャッシュバッククーポンが入っている。ドコモは10年来のユーザーですが、請求書に最新製品の情報は同封されていますが、キャッシュバッククーポンなんてDMで来た試しは一度もない。

 会社の近所のセブンイレブンは、年に1、2度ですが、近所のオフィスを実際に回って、弁当の余りを無料で配っています。2月の節分前などは、恵方巻きのチラシを必ず持って回っています。

 いかがでしょうか。あの世界ブランド企業でさえ、シェアトップのコンビニさえ、このように、向こうからお客の方に近づいて来ているのです。
 いくら世界トップの生産高を誇り、経常利益が2兆円目前のトヨタだって、一人の営業マンがお客様に気に入られない限り、買ってもらえないのです。

 業績の良い会社は、決してブランド力に甘んじていないのです。ブランド力は、信用という、大きな資産ではありますが、決してそれがお客を連れてくるのではない。注文をもらうためには、お客の方に自らが近づいて行かなくては、決してお客から注文したいと言ってくれることは1000%あり得ないのです。

 もちろん、「どうやったらよいか分からない。」「なにをやっていいのか分からない」という方もおられるでしょう。私も最初はそうでしたし、今は月商1000万円の顧問先も皆さん同じです。
 「何をやれば良いのか?」と、近くの専門家に聞くことです。質問を適切な人に投げかけるだけで、親切に、かつ、的確にアドバイスが得られるのです。そして、そのアドバイスを、素直に取り入れ、実際に実行してみることなのです。

 実に簡単明瞭ですね、はい。

 近くに販促の専門家がおられない場合は、私でもよいし、ランチェスターの竹田陽一先生や、販促成功事例100連発の栢野先生、羽山プロジェクトの羽山先生などに、私の紹介と言って、電話しても大丈夫ですよ。懇切丁寧に、親切に教えてもらえます。
 もし、どれを信じて良いのか分からないのであれば、みんなとにかく聞いてみた上で、一人この人だというものを決めて、その人の意見だけを聞くようにして下さい。
 山を登るには、登山道は複数あり、それぞれ得意な道がありますが、目標は頂上というゴールであることに代わりはありません。

 ウソだと思うのなら、やってみて下さいね。本当ですから。素直に、聞く。やってみる。それだけです。

(08年5月15日 田上恭由)
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2008年05月13日

タクシーの値引き競争が教えてくれるモノ

 最近のタクシーは、会社によって初乗りの運賃や、5,000円以上の料金の値引率が異なっています。初乗り590円が、350円だとか、5,000円以上は3割引とか、5割引などと、大きく書いてあります。
 迎車の料金が無料なのも、当たり前になりました。

 ある会社で、この初乗りの値引きを行ったところ、無線の呼び出し回数が2割も増えたそうです。

 さて、この値引き競争、やっている意義があるのでしょうか? 私はかなり疑問を感じます。
 流しのタクシーを捕まえる場面においても、駅の乗り場で乗るにしても、価格が安いモノを選んで乗る、というのは、極めて難しいです。目の前に止まったタクシーが、たまたま350円の初乗りの会社なら良いけど、走ってくるタクシーの値段を、手を挙げる前に判断するのは、まず困難です。
 また、5,000円以上は3割引と書いてあっても、実際に5,000円以上もタクシーに乗る人なんて、どれほどいるのでしょうか? 東京や大阪ならいざ知らず、福岡なら、せいぜい3,000円〜5,000円。遠くまで乗る人なんて、一部の人や企業に決まっているのですから、せいぜい支払う金額が減って、喜んでいるだけでしょう。

 それに、5,000円以上の遠距離料金が安くなるといって、「よし、今度遠くに行くときはタクシーにしよう!」などという人が出てくるのでしょうか? それもまず考えにくい。タクシーの場合、値引きによる需要の喚起は難しいと言わざるを得ません。

 大学時代、アルバイトしていた中洲のジャズクラブで、来客の減少を少しでも食い止めようと、社長の指示のもと、店長が1800円のチャージを、1500円に下げたことがありました。しかし、厨房のマスターは、「300円下げるくらいなら、タバコの1箱でもサービスした方がよっぽど気が利いてるよ」と、怒っていました。
 実際に、300円下げたからと行って、来客は増えなかったし、お客さんから感謝されるなどと行ったことは、一件もありませんでした。

 まさに、この厨房のマスターの一言は、この価格競争の意味のなさを、表現しています。
 値段を下げたって、お客さんに下げたことを知らせなければ、意味がないのです。それも、来店前にです。
 300円のチャージが下がったからと言って、ジャズクラブに来るお客様のうち、喜ぶ方は、一体何人いるのでしょうか? まず、いないでしょう。300円安いからと言って、別の店に行くのをやめたり、真っ直ぐ帰ろうとしているサラリーマンたちの中に、「よし、今日はチャージが300円安くなったから、あのジャズの店に行こう」というお客様はいらっしゃるでしょうか? ジャズクラブに行く理由は、300円安いからではないですよね、決して。

 そして、この厨房のマスターは、「常連のお客様に、「いつもおいでいただいている方へのサービスです。」と言って、いつも吸っている銘柄のタバコをプレゼントしたほうが、よっぽど気が利いてるよ」と言いました。
 もしこれを本当に実施していたら、(タバコを吸っている客だけではありますが、)マスターの気遣いにお客様は感激したことでしょう。いみじくも、直接接客しない厨房のマスターの方が、顧客の気持ちをよく分かっていたのです。

 先日乗ったタクシーは、小さなほっかいろ(使い捨てカイロのミニタイプ)をプレゼントしてくれました。寒い冬だと、うれしいですね。なんとも気が利いています。新聞や飴をおいているタクシーもあります。なんだか、そういう些細なオプションが、嬉しいじゃありませんか? 
 それを続けていると、そのうちに
「携帯番号教えてよ。中洲の帰りに呼ぶから」
という客が、一人、二人と出てくる。そして、その固定客が少しずつ溜まっていくと、ムリに流さなくても、そうした固定客のお陰で、1日の売上が5000円くらい上積みされ、付きの売上が5万円以上も変わってくる。福岡のタクシーの月間売上平均は30万円だか40万円だかと聞いてますが、5万円は10%以上になる。

 値引きをしても客は増えず売上を落とします。300円が100人で3万円の減収です。
 しかし、値引きの代わりに、些細なオプション(あめ1個で5円もしないでしょう。新聞を置くのだって、自分が読んだのを置いておけばいいので原価はゼロ)をすることで、長期的に固定客ができ、気がつくと、値引きした店と大きな差がつく。

 繁盛店と貧乏店の違いは、本当に、こんな些細なところだったりするわけです。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」11号 2003年2月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月10日

本当に業績のイイ会社は、仕入れ先・外注先を接待する!?

 先日、ある効果が上がる販促物の勉強会で講師として話してきました。その後交流会があり、いろいろな方と会食をともにしたのですが、そこでぶっ飛びましたヨ。
 売上高70億円ほどの地元の通信販売会社で、近年その売上高の伸び方が注目を浴びている優良企業の専務が、「うちは外注先や仕入れ先を接待してるよ」と言うのです。
 うーん、通常は顧客を接待するのが常識なのに、商品を買ってあげている仕入れ先を接待するとは....。外注先や仕入れ先が、商品を買う側を接待することはあっても、買われる側が買う側から接待されるとは...。
 
 一般消費者向け通販だから、個人である顧客を接待することはないとは言え...。

 よーく考えてみると、この会社は極めて当たり前なことをやっているのだということに気が付きました。

 接待をするというのは、すなわち、あなたと、今後も長いつきあいをしたい。その気持ちを表すために、食事の席を設けて、ともに楽しく語り合う場を作るわけです。他社には浮気せずに、ぜひ、当社と、よい関係を長期に渡って、良好に保っていきたい。そういうことです。
 顧客に対しては、特に法人営業をしている会社では、もちろん私が経営している会社でも例外ではなく、お客様に対しては、ある程度きちんとした接待をして、良好な関係を維持しようとしています。

 とはいえ、いくらお客様が見つかっても、商品を作って、納期通りにきちんと納めてくれる仕入れ先がなければ、お客様へ供給できません。お客様の確保ができた後は、今度は仕入れ先にきちんとした納品をしてもらわないと、お客様の信用を、落とすことになってしまいます。

 業績の良い会社は、顧客の獲得の悩みはないので、既存顧客の維持とより高品質で、満足度の高い商品を作ってもらうために、仕入れ先を接待しなければならないことになるのです。

 商品は、自社で製作している場合や、外注する場合など、色々ありますが、仮に自社ですべて生産しているとしても、原材料などは当然ながら仕入れ先からもってきてもらうことになります。と言うことは、顧客から注文を得た商品を、自社だけで原料・生産・納品までをすべてまかなうことは土台無理な話であって、どこかに必ず外注の手が必要になります。

 単に、普通の商品を納めるのなら、当たり前の原料を当たり前に仕入れて、当たり前に作れば良いわけです。外注や、完成品を仕入れて持って行くにしても、仕入れ先さえ見つかれば、発注して納品されたら、それを顧客の元へ、納期通りに持っていくだけです。

 しかし、他社よりも優れた商品を顧客に提供し、自社オリジナルの品質と満足度を提供しようとすると、話は変わってきます。

 仮に、A工業という優秀なメーカーがあったとしましょう。あなたはB販売という、販売会社の販促担当者だとします。
 このA工業は、極めて低コストで、品質の良い商品を作っているとしましょう。そして、その商品は、まだあまり市場では知られていないが、極めて高い満足度が得られる商品で、テスト販売したところ予想以上の注文数が取れたすごい商品であることを発見したとしましょう。

 あなたは、そのA工業に、その商品を、同業者にも売って欲しいと思いますか?

 同業者へは売って欲しくないですよね。せっかく新しい市場が取れる商品なのに、みすみす他社には渡したくないですよね。

 でも、契約などで、A工業に縛りをかけない限り、A工業は少しでも販売量を多くしようと、B販売以外の販売先も当然ながら開拓するでしょう。

 しかし、B販売からの扱いがかなりの量になっていると、B販売のライバル会社にはなかなか売りに行きにくいですね。すると、A工業は、その商品に関して、新規開拓に力を入れられず、その商品は、B販売専属品になります。

外注先とのやりとりが減ると、商品力が下がり、競争力が下がっていく危険が...

 ここから先が、危険な領域です。

 このメーカーは、その商品の製造と品質に関しては、一定のレベルをクリアしようとはするでしょうが、改良を加えたり、派生商品を作ろうという挑戦を行わなくなります。なぜなら、要請もないのにそのようなことをやって、もししくじったら、その商品の安定的販売先であるB販売を失うことになるからです。

 冒険がなくなるとどうなるか。後発メーカーが、冒険してくるのです。より低価格、高品質な商品を出してきて、先発メーカーを追い落とそうとします。商品の魅力とは、常に他との相対的な比較の結果であって、絶対的なモノではないからです。

 メーカーであるA工業には、自社の製品に、ライバルが出てきたという危機感が芽生えません。もちろん、発注量が減ればスグに分かりますが、発注量が減った理由が含まれた情報が入ってきません。直接消費者に対して、販売していないため、消費者が「最近はA工業の製品の魅力がなくなった」などといった情報が流れてこないためです。

 A工業は、その製品の売上げが落ちており、改善をしたいと考えても、どこをどう改善したらよいのかが分からないので、手が出ません。

 あなた自身も、メーカーではないので、改善しようと思っても、どうすれば良いのか分かりません。

 販売会社とメーカーの関係として、情報の双方向の流通が途絶えていると、こうなってしまいがちです。重要な顧客の情報だから、メーカーには隠しておこうと、販売会社は考えがちです。販売会社側とメーカーが、商品をいっしょに作っていこうという発想がなければ、当然そうなります。今は仕入れてくれているメーカーだって、何かのきっかけで、来年はライバル会社に納品しているかもしれない。そうなったときのことを考えると、とても顧客の情報なんて渡せないし、ましてや、製品開発をいっしょにやるなんてことはムリ...。他によい商品が出てきたら、それを仕入れれば言いわけで、メーカーなんて、いくらでも見つかる....。

 販売会社は、いつも「購買力」という力を持っているため、このような発想になりがちです。

 そうしたことが長年続いてきた業界では、今、販売の落ち込みが激しいようです。デパート業界や、ダイエーなどの大型スーパーですね。こうした業界は、長い手形や10ヶ月くらいのサイトでの支払いなど当たり前だそうです。

 ある福岡の老舗のデパートへの納品している知人の会社でも、専務がこぼしていました。長いつきあいなので、催事でたのまれると断れないそうですが、手あかがたくさんついたり、包装が破れたりなどした商品が、3ヶ月後に返品されるなどは当たり前。商品は委託販売で、売れた分だけ入金されるため、商品は手許にないのに、いつまでも売上げにならない。売れた商品の支払い日は不定で、長いときは10ヶ月後。入金があっても、どの商品の入金かどうか分からない。調べたいというと、自分で伝票をみて、調べてくれと言われて見に行っても、大量の伝票があるので、探すのが大変だった...。

 そんな会社に製品を納入する会社は、全部がそうではないとは思いますが、他の販売ルートがないため、仕方なくて付き合っているのではないのか? そう思わされるくらい、このデパートの納入業者の扱いはひどいと思います。

 現在では、そのデパートは名前こそそのままですが、店舗の場所も変わり、親会社も東京の大手の超有名百貨店になってしまいました。

商売のカギを握っている仕入れ先や外注先の優劣

 巨額の有利子負債の返済で頭を痛めている某超大手スーパーも、数年前に、業者から受け取るリベートで決算対策をしていたことが、新聞にすっぱ抜かれましたね。こんな販売会社には、メーカーはたとえいい商品ができたとしても、真っ先に持っていこうという気にはならないですよね。どうせ持っていって、売れたとしても、入金が10ヶ月後。おまけに、委託販売で、いつ売れるか分からないし、売れたとしても入金日が確定しない。売れたかどうかも分からない。さらに、決算時にはリベートを別途要求される...。付き合うだけ、損ですね。

 より取引条件のよい会社に、よい商品は流れていく。取引条件のわるい大手は、よい商品の確保がままならず、顧客の支持を少しずつ失っていくことになります。

 我々中小は、リベートをメーカーに要請するなんて、とんでもありませんね。締め支払いで付き合ってくれているだけでもありがたい話なのに...。最初は前金とか言われるのがあたりまえですからね...。

 リベートなんかよりも、より売れる商品と、売れる仕組みと、社員のモチベーションを高め、顧客の支持を高める。その方に力を注がない限り、大手には負けてしまいます。

 リベートをくれるような会社と取り引きしようと思っても、第一向こうから取引量が少ないと、断られてしまいます。よーく考えてみると、我々中小零細企業は、仕入れ先を「接待」して、よりよい商品を開発してもらうほうが、商売としては理にかなっているような気がしてなりません。

●納入業者を「接待」すると...、まるで自社スタッフのように働いてくれるようになる!

 納入業者を「接待」すると言うことは、この通販会社専務がおっしゃっていましたが、その業者のスタッフを、外部の社員であるにもかかわらず、自社の社員のように活用できるそうです。
 ここがすばらしい。場合によっては、自社の社員以上に、良いアイデアを出してくれるかも知れません。なぜなら、いつも商品開発をやっているわけですから、商品の原料や製法については、販売会社の社員よりも、グーンと詳しいわけです。逆に教わって、詳しくなることもできます。

 そして、その販売会社は、その商品の販売量について、目標を設定したとします。それもすごい高い数値を...。達成したら、ボーナスもあるということで...。
 すると、どうでしょうか。販売会社社員のやる気に引きずられる形で、メーカー社員も、いっしょになって、目標達成に向かって、やる気になります。メーカーの担当者は、自分の成績が上がるわけですから、もう、販売会社と一心同体、あなたが儲かると私も儲かるという状態になります。

 ここまで来れば、あとは、目標達成のために、何が必要かという会議をやり、出たアイデアを次々と実行していくだけです。メーカー担当も販売会社側も、自分のアイデアなら、自分で意欲を持って、責任を持って成し遂げようとしますから、熱気が違ってきます。販売の結果、1本で売るよりも、3本セットの方が、総売上高は上がった。では、1本おまけを付けて、3本分の値段で4本売ると、どうなるだろうか...。販売のデータを目の前にすれば、そのようなアイデアが出た時でも、結論がスグに出ますね。メーカー担当者も、売上げが総合的に伸びることが、成績アップにつながるのですから、できる限り協力することになります。

 外注先の社員を、自社の社員のように使う。そして、他社にできないアイデアや製品の改良を加え、キャンペーンなどもいっしょになって考える。そうすると、販売会社の担当者1人のアイデアだけでなく、仕入れ先の社員全員を見方にして、戦うことができるのです。

 つまり、優秀な外注先を手に入れるということは、他社に勝つための手段の一つとして、大変重要なことであると言えます。

 しかし、条件があります。「接待したくなるほど、すばらしい外注先」であることです。変な外注先を接待して、何も変わらなくては、無駄金になります。「接待」したくなるほど優秀で、長期に渡ってつきあいが継続でき、他社との差別化に有効に作用する外注先。そして、外注先のスタッフや社員の心を一つにして,大きな目標に向かわせる人心掌握術。この2つを得ることで、今後の営業戦略にも、少なからぬ好影響をもたらしてくれるはずです。

 それにしても、昔の戦国時代も、武器商人は大切に扱われていましたし、鉄砲のあるなしが勝負を決めた戦もありました。出入りの者を大切にし、新しい情報と武器を手に入れることは、昔も今も勝負の決め手です。
 現代は忙しいのと、インターネットの普及のためか、営業マンが疎まれる雰囲気があります。しかし、なぜ、疎まれることになったのかを考えてみると、売る側が売ることだけを考えて、顔を会わせればスグに売り込みに入る営業マンが多くなったことが原因のように思うのは私だけでしょうか。

 また、購入側も、何でも値引きや、相見積もりをとって一番安いところから仕入れば、もっともよい取引ができると考え、容易に値段だけで仕入業者を判断していないでしょうか?
 実際は、商品そのものの仕入には、たとえば納期が守られるとか、納期が早いとか、支払い条件や営業マンがどれほど購入側の利益を考えて行動してくれるか、また、販売会社が社会に害のある行動を取っていないか、商品や商売に関する知識を提供してくれるかなど、取引とは商品のまわりにある、見えないものもいっしょに買うわけです。
 そうしたものも含めて、取引先決定の要件にするというのは、今後の商売で他社に負けないためには、是非ともやるべきことだと思いますヨ。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」4号 2002年7月15日号より抜粋、加筆、要約」)
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2008年05月06日

お客様は、会社から買うのではない。あなたから買う

 お客様は、なぜ、あなたの会社からものを買うのでしょうか。それは、あなたがいるからではないでしょうか。もしくは、気に入った営業マンがいるから、その人から買おうと思ってくれているのではないでしょうか? つまり、会社から買うのではなくて、その人が気に入っているから、また買おうと思っているのではないでしょうか? 

 このような、なぜ、この会社に発注するのかを考えることが、まずは第一歩です。つまり、発注する理由は、商品がいいからでも、サービスの品質がいいからでも、価格が他より安いからでも、会社が信頼できるからでもなく、気に入った担当者がいるから、その人から買うのです。

 もし、いつも来てくれる担当の何々さんの、自宅はどこにあって、どんなマンションなのかだとか、個人で持っているパソコンて、どんなメーカーなのだろうとか、お子さんとか奥さんがどんな人なんだろうかとか、会社の中の風景がどうなっているのかだとか、実際にどんな仕事をやっているのかとか、苦労した話とか、美味しいと思っているお店だとか、趣味とか彼女がいるのかとか、出身地がどんな場所なんだろうかとか、大学の時やっていたことだとかなどの話が載っているニュースレターが来たとしましょう。「あー、あの人、そうなのかー」って、興味深く読んでしまいます。
 もし、趣味が同じなら、バイクならツーリングの話題とか、新しいバイクの話などで、次回あったときに盛り上がってしまいます。

 担当者の勤めている会社の情報などではなく、このような個人的な話題だと、思わず読んでしまうのです。
 はっきり言って、仕事にあまり関係のない話が、ニュースレターの中身としては、よい、ということなのです。
 上に述べたような、「非公式でかつ、私的な情報を届ける」ということに徹する方が、必ず結果は取れます。

 これは、どうしてでしょう。言葉では、言い尽くせないのですが、なぜなら、そこに、パーソナルなコミュニケーションが成立するからです。

 営業の場面を考えてみてください。セールスは、先にこれをまず作り、信頼関係を築いてからでないと、相手は何を言っても信用してくれませんよね。初めて会った見込み客に、雑談を全くせず、いきなり商品に関することを話し始めたって、商談がうまく行くわけないですよね。アメリカの有名なセールスマントレーナーのブライアントレーシーによれば、「商談の労力の40%は、信頼関係を作ることに注力せよ」と言っています。ニュースレターは、信頼関係の構築を、会うことなく、紙の上で済ませてしまうことができるのです。

 そして、送付の手段は、店舗がなければ、郵便で送るのが、最も相手を喜ばせることができます。それも、切手を手で貼って、消印が押してあるというものです。
 ニュースレターを送った相手に、どんな感情を引き起こすことが目的かということを考えてください。「感謝の念を持ってもらい、信頼関係を築く」ということですよね。これを忘れては、ニュースレターをやる意味がありません。つまり、「ああ、わざわざ送ってくれてありがとう」と、思わせるのが、まずはコツなのです。

 ファックスやメールも、受け取ったときに、「あ、わざわざ送ってくれた」という印象が生まれにくいです。最悪なことに、電子メールは、読まれないことが多いですから、この「担当者とお客様の間の人間的な信頼関係を構築し、商談をスムーズに進行させる」という目的においては、使わない方がよいのです。

(出所:田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」2号 2002年5月15日号より抜粋、加筆、要約)
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