2008年09月20日

自分で撮影したオリジナル写真でホームページにパワーを

 ホームページでは、素材集やカタログの写真を使っているケースが良くあります。写真がないからと、素材集を使うよう依頼されるケースもよくあります。
 しかし、写真は、下手でもいいから、自社で撮ったものを使ったほうが、明らかに結果が良いです。素材集のものよりも何万倍もパワーを持ちます。

 写真はプロカメラマンに頼む必要はありません。社長ご自身や社員さんが撮ったもので十分です。構図が多少まずくても、対象が小さく写っていても、トリミングすれば、立派に使えます。

DSC_5475.JPG


また、少々暗くても、色がおかしくても、ある程度は直せます。セピア色になっている古い写真だって、相当きれいに直せます。

 写真を撮るという手間を少しかけるだけで、サイトの力が増強されるのですから、やらない手はないと思います。自分で撮れば費用はゼロですからね。

 カメラはデジタル一眼なら言うことはありませんが、コンパクトデジカメでも一向に構いません。
 昨年作った現在の当社のホームページは、ヤフーオークションで9000円で落札したコンパクトデジカメで撮ったもので、見た目の品質には何ら問題はありません。(08年9月17日現在)

 ・株式会社ワイコム・パブリッシングシステムズのホームページ
  http://www.ycomps.co.jp/

 では、どんな写真を撮ればよいでしょうか。
 会社の行事、社内のスナップ、製造風景、設備、社屋(賃貸でも)、社員、入社式、打ち上げ、検品や組み立て工程、打合せ、お客様の訪問や納品の図、使用中の様子など...。社内を見回すと、実に無限に撮るべきものはあります。特に、入社式や会社の行事、お客様への納品は、後で撮ろうと思っても撮れませんから、必ず撮っておきましょう。

 そうした写真は、ホームページのどこで使うとよいでしょうか。
 製造風景や設備、検品、打合せなどは、「注文から納品まで」のページで使えます。このページは、引き合いから納品までのステップを、写真で紹介したものです。例えば受注後に製造や製作をして納品される商品の場合、見込み客が安心して相談の電話ができるようになる効果があります。相談した後のステップが具体的に表示されていることで、何をすればよいかがイメージできるのですね。結果的に、問い合わせ電話が増えます。

 お客様の写真は、「お客様の声」コーナーや、商品の納入実績などのページで使います。
 「お客様の声」は、製品やサービスの実際のユーザーの生の声を紹介するページで、購入や相談をするかどうかを決める大きな判断材料になります。具体的によい点と悪い点が分かることが、まだ購入していない人にとって、じつに重要な情報だからです。
 このように、お客様の写真は、製品を愛用している人と言うことで、大変なパワーを持ちますから、ぜひ、ぜひ、ぜひです!

 納入実績のページに、実際に商品が使われている写真を掲載すると、実に力を持ちます。文字だけの「納入実例」だけだと、どうしても弱いのです。

 入社式や社内行事の写真は、新卒や既卒採用ページで活用できます。
 新卒の若者は、「会社への就職」という商品を、多数並べてどれにしようかと迷っています。これは、多数の同様の商品の中から、どれを「購入」しようか迷っている消費者と同じ心境です。
 新卒者にとって、大変重要なのは入社後にどのようなことがあるのか、大変知りたがっています。会社で行われている行事などの状況が写真で紹介されているだけでも、知りたい情報があるということで、イメージが大変良くなるものです。

 では、実例をご紹介しましょう。お客様からの支給写真で作成した、弊社の制作事例です。

 ・福岡天神の貸衣装店 ブライダル山田屋
 ・海外格安純正トナーの迅速一番
   
 ・飲食店、不動産業の株式会社ジェイマックス
   
 写真が本物だと、伝わってこないですか?

 それでは、あなたのサイトがさらにパワーアップすることを願って!
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 17:02| Comment(1) | TrackBack(0) | ●プロが決して教えない効果が出る販促実例集

2008年05月27日

舌を巻く、外資系ダイレクトセールス会社のDM制作ノウハウ

 アメリカでは、一人あたりのダイレクトメール(DM)の受け取り数が日本の7倍もあるそうです。あれだけ国土が広く、買い物一つするにも、車で何十qも走らなくてはならないところなだけに、通信販売が広く定着しているようです。

 7倍もの数のダイレクトメールを、個人が受け取っているとしたら、どういったことが起こるのでしょうか。日本に住んでいても、まあ、週に2通から3通、ないときはさっぱり来ませんね。特に、何にも買ったこともない通販会社からは、ほとんど来ません。

 しかし、アメリカに住んでいると、この7倍と言うことは、毎日数通受け取っているという勘定になります。また、それだけ多ければ、同じような商品のDMも、数多く来るでしょう。と言うことは、それだけDM同士の競争が激しいと言うことになります。相当な工夫が凝らされていないと、読んでももらえないわけです。

 と言うことで、今回は、アメリカの通販会社がうっているDMを、少し研究してみたいと思います。

●ノベルティグッズの通信販売会社の例

 このDMは、企業の経営者が、お客様に配布するノベルティをセールスするDMを出しています。実際に来たもので解説します。

 封筒の中には、セールス文書兼申込み書、返信用封筒のほかに、商品のサンプルとして、メモ型手帖のサンプルが同封されています。おまけに、ご丁寧に贈答用の箱までついていました。

 この手帖の厚さが5ミリほどありますので、まず封筒にものすごく厚みがありました。それに、アメリカからのダイレクトメールと言うことで、大変興味を覚えました。「何で私に?」と、不思議に思います。「厚み」と「縁もゆかりもない場所」をきっかけ(動機)に、捨てることなく封筒を開けてしまいます。

 ここで、第1の難関突破です。
 DMの封を開けさせるというのは、実はかなり大きな難関です。会社に来た場合、事務員の方が開けてから、必要なものだけが社長のところにとどきます。しかし、中身が厚いと、社員も捨てるわけにも行かないので、とりあえず社長のもとに届けるということができます。
 また、美しく印刷されているDMは、ゴミ箱へ直行するのがほとんどですが、このDMは、「厚み」と「縁もゆかりもない場所」のバランスの悪さで、まずは封を開けさせることに成功しています。

 開封すると、商品のサンプルが入っていました。「商品そのもの」を手にとって見てしまいます。それに、1冊タダでくれるなんて、気前のいい会社だなーと、「好感」をもちました。

 セールスシートを見てみましょう。
 まず、自己紹介で、この会社が、アメリカで50年の歴史を誇る、れっきとしたビジネスギフトの会社であることが分かります。まずは、怪しいものではないかという懸念を払拭しています。
 次に、「有効なビジネスツール」や、「貴社のイメージアップ」、「大切なお客様との永いおつきあい」などといった部分に下線が引いてあります。この3つのキーワードは、企業のトップやノベルティ(贈答品)を使った販促を担当している責任者ならば、頭の中でもっとも重要であると考えている言葉ばかりです。

 こうした、読み手の心をくすぐるキーワードは、こうしたDM販売のノウハウを持った会社は皆、極めて精緻に考えています。読み手が抱えている問題は何であるかをしっかりと捉えた上で、それを見事に解決できる、という切り口を、DMの文章で訴えかけるためにです。
 
 つまり、このDMは、メモ・ブックという商品の案内セールスなのですが、文章自体は、その商品を買ってくれというお願いをしているのではありません。このメモブックをお客様へ配布することで、貴社のイメージアップとお客様との長いつきあいの役に立たせませんかという「提案」をしているのです。

●期間限定割引と返金保証は重要!

 期間限定も重要な部分です。
 今回限りの25%サービスの価格が掲載されています。30日以内に申し込めば、この特別価格が適用されるとのことです。
 
 人間というのは、今すぐやらなければと言う期限を切られなければ、なかなか行動をしようとしません。もし、読み手がノベルティを何にしようかと頭を痛めていたとしたら、スグにでも飛びつくのでしょうが、通常ノベルティのことを考えている人などあまりいません。そのような方に、「今なら25%引きか」と、今行動しなければ、損をするということを、この部分で訴えかけています。

 30日以内の申込みメリットは25%引きだけではありません。「のし箱」も無料であるとの「特典」もついています。つまり、2つの期間限定の特典を、ここで強調し、期間が過ぎると損をしますよ、という印象を与えて行動を促しています。

 さらにだめ押しは、この部分はアメリカの通販会社は必ずと言っていいほど入っている全額代金返金という、保証の約束です。

 この記述は、買い手がためらっている原因の大きな要素である、「自分ののぞみの商品が来なかったら、クレームをつけることができるだろうか? 返金できるのだろうか? そうでないと、困るのだが」という懸念を払拭するのに、大きな役割を果たしています。発注担当者にとって、商品に問題があったら、困りますから。

 また、この記述があることで、「この会社は商品の品質に自信があるのだな」ということを、読み手に印象づけさせることもできます。「品質には自信があります」というよりも、「当社商品に満足行かない場合は100%ご返金します」と言うことは、「インパクト」があり、客観的なので、より大きな「安心感」と「信頼感」を与えます。

 返金保証は、DMの売り手としては勇気が要ります。ですが、この記述がうまく行く秘訣となり得ます。なぜなら、国内の法人向けのDMで、返金保証までをもつけているひとは、なかなか見ることができないからです。

 差出人を会社ではなく、会社の代表やマネージャーの名前にしています。こうすることで、DMを「手紙」という印象に変化させることができます。これも、アメリカ企業のDM戦略の常套手段です。

 このように、会社に来たDMですら、ノウハウの勉強をすることができます。
 ぜひ、今度DMが来たら、どういう工夫をしているのか、裏読みしてみることをお勧めします。

(08年5月27日 田上恭由)
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2008年05月22日

お客様を心地よくする、お金の一切かからないサービスとは?

 先日の日経ベンチャーに、福岡市博多区のあるケーキ店の話が載っていました。以前利用して、感激したことがあったので、記事を見て驚きました。

 この店は、一度行ったら、忘れられないほどの、強烈なサービスがあります。それは、
● 商品の手渡しは、レジが終わってから、必ず表にでてきて、
  両手で商品を手渡しすること。
● 購入して帰るお客様を、店舗の外までお送りしてお客様の
   姿が見えなくなるまで、お辞儀をすること。

 この2つです。

 レジから表に出てきて手渡しする、というのは今ではかなり当たり前になりました。
 しかし、「姿が見えなくなるまでお辞儀をする」のは、未だに、ほとんど体験例がないのではないでしょうか。実際に受けると、相当驚きますよ。

 私がはじめてそれを目の当たりにしたのは、もう3年ほど前でした。車での買い物でした。バックミラーから見てましたが、本当にずっとお辞儀をしてました。それを始めた年は3割も売上げが伸びたのだそうです。
 
 このサービスは、社員が自発的にはじめたことだそうです。なんとすばらしいことでしょう。実際に値引きしたわけでもありません。「有形」のものを販売するのに、「無形」のものが後押しをするのです。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月21日

在庫処分を成功させた4つのポイント

 あるスポーツ用品店の、在庫処分を目的に実施した、既存顧客向けのはがきDMを取り上げます。317通で、115件のクーポン利用率。反応率36%。おかげで在庫がきれいに捌けたそうです。本当によかったですね。品揃えを常に新しくしていかないと、お客様が離れていってしまいます。また、在庫を貯めないと言うことも現実的に難しいわけですから、この在庫処分をどうするかと言うことは、ショップ経営では、重要なスキルとも言えます。
 
さて、このスポーツ用品店の成功の要因は、

@ 対象を既存客に絞ったこと
A DMで出したこと
B 顧客の購入額に応じてのクーポン券
C 期間限定

この4つの要因どれか一つでもかけていたら、うまく行かなかったでしょう。クーポン券の値引率「半額」のインパクトも、大きいですが、今回はそれを除いた成功のヒントを、探ってみたいと思います。

 既存顧客だけを対象にした点。これが一番大切です。既存顧客というのは、何らかのカタチでお店のことを覚えているものです。特に何度も来店しているお客様なら、店員や店長とは顔なじみでしょう。人間的なつきあいができています。そういう方々にDMを出したことは、反応率を高める大きなポイントです。

 また、不特定多数を対象にした場合は、新聞やチラシなど、大量にばらまく必要が出てきます。そうすると、在庫処分で半額などということを、まだ来ていない客に知らせることになり、ショップのイメージががた落ちになります。
 既存顧客なら、「ああ、この間あれを買った店か。こんなお得な情報をわざわざお知らせしてくれて、良い店だなぁ」と、良い印象を持ってもらえることになります。
 もちろん、自分が買ったものと同一商品が、直後に半額になった場合は気分を害します。その点だけは、ご注意を。(私が申し上げるまでもないですね)

 既存客は、店の名前を見ただけで、店内の雰囲気や店長の顔を思い出してくれる。「あ、何か来たな」と、DMをみてくれる可能性はすごく高いです。そして、DMはチラシと違い、「特定の人にしか出していない」、と言うメッセージをいっしょに届けてくれます。日頃から利用しているお客様は、「わざわざ送ってきてくれた」、と思うでしょう。


 もし、新聞に以下のようなチラシを折り込んだとしましょう。どれほどの反応が期待できるでしょうか。

「●●店のご愛顧、誠にありがとうございます! 本日は、特別によく利用していただけるあなた様に、特別価格にてのご奉仕をご用意しました!」

 これでは、お客様は、自分に宛てられたとはお思いにならないので、反応は芳しくないことになります。

 次のキーワードが「クーポン券」です。
 昨今は街を歩くと、どこででもクーポン券がついた無料の情報誌が簡単に手に入ります。配布されているティッシュには、必ず「持参の方に値引き」と書いてあります。持っていくと安くなるというのは、強力な来店動機(集客)につながることが、すでに実証されているのです。

 「クーポン券」は、単純にすべての商品を「○%オフ」としたのではなく、「ウエア○%引き券」、「シューズ○%引き券」と、分けて封入されたそうです。そして、ポイントカードの記録から、顧客の過去の購入額に応じ、金額や枚数を変え、複数の品目のクーポン券を入れたそうです。もし、買いたい商品があれば、「クーポン券が使えるチャンス」と思って、購買意欲が高まります。加えて、購入額に応じて差別化を図っていますから、「私だけ」という優越感をくすぐっています。

 さらに、期間を限定したこと。これは、行動を促す大きな要因です。期限がないと、いつまでも行動しない。これは人間にありがちなこと。いつまでと決められると、「あ、いかなくちゃ!」といって、行動をはじめるのが、人間の心理というものでしょう。

ステップ1 手元にある既存のお客様にDMを送ってみましょう。
ステップ2 そのDMに、期間を限定したクーポン券を同封してみましょう。
ステップ3 1、2に加えて、お客様語との差別化を図ってみましょう。

ステップ3はすこし作業の手間がかかりますが、お客様の実際の購入金額や購入したものの情報を頭に入れるよいチャンスです。この事例を参考に検討してはいかがでしょうか。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月19日

無差別メールでの効果的な販促事例(資料付き)

 インターネットを使った販促事例は、これまで紹介したことがありませんでした。中でも、無差別メールを使った方法は、近年は「スパムメール」(迷惑メール)として、出した人は社会的に悪者扱いされています。反応率も、送付を承諾されたものに比べれば、「未承諾」のメールの反応率は、極端に悪いのが実情です。

 先日受け取ったものは、極めて上手にかかれていました。この内容は、紙ベースのモノにも十分参考になります。ご紹介しましょう。(<@>などとなっている部分は、私が説明をするためにつけたものです。)

 逆に言えば、「未承諾メール」と件名につけてしまえば、送ること自体は違法ではないので、ガンガン送ってしまえば良いのだとも言えます。

 私のメールアドレスには、こうした未承諾のメールが、1日数通(注:08年の現在は数百通)来るので、通常は無視しています。特に、<@>の部分のように、「突然のご連絡で...」といった部分がある場合は、すでにその時点で「未承諾メール」と分かるので、無視する癖がついています。
 しかし、少し読んでみると、<A>のように、「現在ご利用中のサーバをチェックしていただけたら」となっておりました。何かの商品の良さを訴えたり、キャンペーンでお得などと書いてある、よくあるメール広告のようなものではありませんでした。単に、サーバの回線品質チェックをお願いされているだけで、しかも、自分のサイトの品質がチェックできるということで、まあ、試してみるか、と言う気になりました。
たまたま、ホームページのサーバーを社内の回線から、外部の回線に移設しようとある業者に申し込んでいたので、少し興味をもちました。

 さらに、<B>のように、こちらの自尊心もくすぐるような部分も入っています。「規約上OK」とか、「内容もきちっとされている」と判断したところにだけ送ったと、書いてあります。単純に自動的に送ったということではないという点には、好感を持ちました。

その後は、数値的な部分で、どんどん信用してしまいました。

まだこの会社に申し込んではいませんが、魅力的な文面がちりばめられています。<C>で3ヶ月間無料を訴えています。<D>では、今度は現在使っているホスティングサービスの残り契約期間がある場合に、「バックアップ」として使えるということを訴えて、契約変更による残存期間の支払いも、ムダにはならないことを訴えています。
 <E>で、もともと使っていた遅いサーバはバックアップで、新しく契約したサーバは本番発信サイトで使うと言うことを、「非常に賢い使い方」と持ち上げ、これまで遅いサーバを使っていた読み手の仕事を、決して否定するのではなく、むしろ「賢い」と賞賛しています。
 
 本来は、「あなたの今のサーバは遅いからダメ!」と、一刀両断で言ってしまいたくなるところを、バックアップで使うのが「賢い」と言い換えてしまう。「自分の過去の選択を間違いと認める」ことを強要するのではなく、むしろ「賞賛」するというこの心憎いテクニックは、使えますねぇ。
 新規が取れないこの不況下、他社のサービスを受けている顧客を、自社に寝返らせることができなければ、自社の売上げを増やすことどころか、他社に奪われてしまいます。しかし、他社の悪い点を強調すると、企業の担当者の場合、今度はそれが担当者の今までの仕事を否定したこととなり、話を聞いてもらえなくなりますからね。その危険を、見事に回避しているのが、この文章の最後の部分です。

 「あなたの現在の選択は、正しい。しかし、私の方を選択すると、もっと正しい。だから、ぜひ、当社に乗り換えたほうがよい....。」といわれるのと、「あなたの選択は間違っている。しかし、私の方を選択することは正しい。だから、当社に乗り換えたほうがよい...。」のどちらが受け入れられやすいでしょうか...。前者は、今の顧客を認めています。後者は逆に否定しています。否定はセールスの場面に限らず、ダメですよね。人間、認められない限り、心を動かしませんから...。


<資料>

資料 @
株・・芦颱踉子 ワイコム・瘢雹パブリッシングシステムズ

ホームページご担当者様へ

<@>
突然のご連絡で誠に恐縮です。******の***です。 

ycomps.co.jpのホームページを拝見させていただいて、ご連絡させていただきました。
お手数で大変恐縮なのですが、ホームページご担当者様へこのメールをお渡しいただけましたら幸いです。

現在ご利用になられているサーバの回線品質や設置場所をチェックさせていただきまして国内設置のサーバではいらっしゃいますが、ご担当者様にて実際に現在ご利用中のサーバをチェックしていただけたらと思いご連絡させていただきました次第です。<A>

ちなみに当メールは不特定多数にお送りしているものでは決してなく、業務の合間を見ていろいろなサイトを拝見させていただいていてサーバの回線品質をチェックしたり、コンテンツ等から弊社がホスティングご提供する先として規約上OKというだけでなくその内容もきちっとされていると判断させていただいたところだけにお送りいたしております次第です。受信された方にとっては不特定多数に送られる広告メールと同じ一通でご迷惑なのかもしれませんが、古くから商習慣としてある、例えば車の乗り換え提案のように、一件一件丁寧にご提案を含めて営業をさせていただいておりますことを念のためお伝えいたしたく存じます。<B>


さて、雑誌でもご紹介して大好評のサーバ品質チェックですが、次のアドレスでドメイン名を入れるだけで簡単にご利用いただけます。
もちろん無料です。

http://internet.ad.jp/servercheck.html

現在ご利用になられているサーバの回線品質や設置場所が明らかになります。

多くのサーバユーザーの皆様がドメインを登録されてはじめてご利用されたホスティング業者様のサーバからより高品質より低価格な共用サーバに乗り換えたり、共用サーバから専用サーバへアップグレードされる方、専用サーバをご利用されていてその管理の手間を省くことからホスティング業者側のプロが管理する共用サーバに乗り換える方など、現在乗り換えが非常に多くなってきています。

もし、ホスティングをご利用中で、サービスの契約更新時が近づいてサーバの乗り換えを検討してみるときなど「全てのホスティング業者様」のサーバについてドメイン名を入力するだけで客観的な数値として比較できますので、上記URLをブックマークへ加えて是非ご活用ください。

さらに、お得な情報ですが、このメールをご覧いただいて2003年4月18日までにお申し込みいただいた方に限定いたしまして、サーバご利用期間を、

              【3カ月無料】!!

にして共用・専用サーバともに初回ご利用期間に3カ月を追加させていただきます。
<C>

他社でサーバを現在ご利用されていて、契約期間が3カ月先まで残っている場合でも損はすることなく、国内最高クラスのサーバにすぐ乗り換えられ、超快適なアクセスを一日も早く開始できます!!

3カ月無料サービスは当メールをご覧いただいた方のみのご提供となっておりますので、お申し込みフォーム最後の備考欄に「**メール3ヶ月無料サービス」とご入力いただくことでご提供します。

やはり、より高品質で日本全国快適にアクセスできる弊社サーバをご利用されるのは一日も早い方が宜しいのですが、お支払いになったご利用料について元を取りたいですよね。

そこで、弊社のサーバに乗り換えられた後、旧サーバのご利用できる期間はデータバックアップサーバとしてご利用になるのはいかがでしょうか?
<D>

ドメインを旧サーバから引き上げるとウェブ表示とメール送受信は新サーバでのみとなりますが、実はどこのホスティング会社のサーバもFTPはIPアドレスでドメイン引き上げ後も必ずアクセス可能です。
ここがポイント!なのです。

バックアップサーバはデータ管理上データセキュリティを高めたい場合に非常に有効で、お客様側で必要なものですが、FTPを使って旧サーバをご活用されるのが「実は得策」であります。

弊社サーバにアップロードされたコンテンツデータ一式を圧縮ファイルにして、毎日1回外部のサーバに自動でFTPでアップロードする機能もご利用可能です。

良心的な業者様ですとお支払い済み契約期間が残っている場合その期間において旧サーバはご利用可能で、逆に利用できなければ規約にその旨書かれていない限り契約不履行でもありますので、移行後即サーバを切られないように移行前にはIPアドレスでの利用を主張されておかれることをおすすめします。

そして、一日も早く、より高品質な弊社サーバから日本全国へ超快適に情報発信されて、データのバックアップは比較的低速な旧サーバで十分なことからフルに活用する。
これは「非常に賢い使い方」なのであります。
<E>

さらに、旧サーバの契約が切れる直前ぐらいにフリーでFTP領域を提供しているサイトに今度はデータバックアップ先を切り替えれば「より賢い使い方」になります!!

最後まで読んでいただきまして誠にありがとうございます。心より感謝いたします。

サーバに関するものも含めて特にご要望などは前向きに実現していきたいと常に弊社一同考えておりますので是非ご一報ください。

また、メールがご迷惑の場合はお手数で恐縮なのですが、ご一報ください。今後送らないようにいたします。

取り急ぎご連絡まで

どうぞよろしくお願い申し上げます。

========================
担当:** 
*****−SERVER
*********システムズ株式会社 
東京都千代田区**************************
Tel:03-****-**** Fax:03-****-****
http://www.*******.ad.jp/
E-mail: ***@*******.ad.jp
========================

<資料終わり>

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」12号 2003年3月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月17日

たった50枚でも、7件の注文増をもたらしたチラシ

 長崎のある食品スーパー店長のチラシは、極めて高い反応率をたたき出しました。

 このチラシのすばらしい点は、50枚しか配っていないのに、18件の注文になったとのこと。チラシを配らなかった一昨年の11件にくらべ、6割もの注文数が増えたと言うこと。そして、反応率が36%という、既存客向けと考えても、極めて高い数字になったということです。

 もっとたくさん配っていたら、反応率は下がったでしょうが、注文数は増えていたことになります。
 一旦注文して良かったとおもったお客様は、来年もまたご注文いただける可能性が非常に高くなる上に、日頃の買い物の売上げにも影響が大きいのです。

 これだけ反応率の高いお得意さまを持っていらっしゃるのですから、年末だけに限らず、特別限定商品を2、3ヶ月おきくらいに用意し、チラシを配るというアイデアもあります。50枚だったのを300枚にすれば、仮に反応率が多少落ちて20%になったとして60件。単価4,000円で24万円の売上。金額だけをみると小さいですが、チラシ300枚なんて、コピー機で刷っても3,000円もしないのですから、それと比べればいかがでしょうか。
 24万円も年4回だと100万円。5年で500万円にもなります。店を広げることもなく、新しい店を出すわけでもなし。作成は若干時間はかかりますが、刷ったものを手渡しすればコストはほとんどなし。店舗型営業の強みは、お客様の方から、自らやってきて下さるということですから、これを活かさない手はありません。

 リピート顧客がご商売の中心になっている方は、こうした、既存顧客向けの特別セールのチラシは効果的です。コピー機のようなもので、あまり多数刷っていないように見せるのがポイントです。手書きも重要なポイントです。

 年中やれますからね! 春はひな祭り、夏は夏バテぶっ飛ばせ! 秋は中秋の名月、冬は肉や餅。何でもOK! 旅行や車検など、何でもありです。

 店長はニュースレターの発行もはじめられましたから、これで信頼関係をさらに強化すれば、チラシの効果もあげられます。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」11号 2003年2月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月10日

質の良いアルバイトが集まる求人広告のデザインとは?

 アルバイトやパートの活用は、今や必須の業界のノウハウです。特に、店舗や飲食店の方は、当然ながらバイトなしでは商売が成り立ちません。
 では、法人営業をやっている企業では、どうでしょうか? もちろん、いるといないのとでは、大きな差が出てきます!
 たとえば、雑多な仕事。いつかやろうと思っていた、DMを打つ先のリスト入力や、DMの印刷、ホチキス、封入、封印、切手貼りの作業。これはテストのうちは自分でやっても良いですが、アルバイトの手を借りてこなした方が当然ながら、効率が良いわけです。
 また、お使いや電話とり、買い物、少額の振込や記帳なども、アルバイトの手に任せる方が、その間に本来するべき仕事に集中できて、効率がグンとアップします。
 社員を雇うと、コストは1日2万円から3万円くらいは若手でもかかりますが、一日5、6000円程度で済みます。社会保険や雇用保険なども不要です。アルバイトをする側にとっても、バイト料をもらいながら、社会勉強できます。
 このようなことから、当社では、バイトの力無くしては、業務が成り立たないくらい、手を借りまくっています。

 さて、このアルバイトですが、質が問題となります。どんなに安い時給で雇えても、使いにくいアルバイトを採ってしまうと、仕事が全然はかどりませんし、人間的な部分でかみ合わないと、仕事を教える気にもなりません。いっしょに職場にいることさえ、イヤになってしまいます。気軽に採用できるとしても、この部分を最低限守れる人材を採らないと、全然仕事がはかどらない結果となります。

 質の良いアルバイトだと、任せた仕事がはかどるだけではありません。中には仕事を覚えて、社員になってくれることもあります。当社にはそうして社員となったケースが複数ありますが、いずれも貴重な人材として、定着してくれています。

 さて、このように、会社の運営を効率よくしていくためのアルバイトの採用には、私も頭を痛めてきました。はじめてアルバイト採用の広告を出した3年前などは、たったの3人しか問い合わせがなくて、3名とも採用したことすらありました。
 しかし今回、56,000円で「週刊an九州版」に2週間連続で4回掲載して、前回の約8倍の23件もの問い合わせがありました! CPIは2434円。大ヒット作です!

 まず、目立って、親しみも持ってもらうために、以前から使っていた、スタッフ全員の似顔絵を持ってくることにしました。社長自身を真ん中にして、いっしょに呼びかけているような雰囲気をつくりました。これを相談したanの担当女史もえらく喜んでくれて、これはいけるかも、という雰囲気となりました。
 そして、タイトル。これは、似顔絵があるから、特にこらずに、簡単な言葉で、話しかけるように、コピーを作りました。「私達を手伝ってくれませんか?」。次に、私は弱冠36歳で、若くて、社員も若い人ばかりという点を強調し、敷居を低くするために、「社長36歳が最年長。若いスタッフばかりの働きやすい職場です」としました。

 次に、「データ入力等でパソコンの操作をより上達させたい方には最適なバイトです。(バイトの方にもメールアドレスがありますヨ)という、バイトに来た上に、自分の能力が高まるという期待を持たせました。そして、実際の現役バイト生に、どうしてうちのアルバイトを選んだのかや、他のアルバイト場所と比べて、うちのバイトはどの点が良いかを尋ねて、「飽きが来ることがない仕事ですネ」、「時間内でできる分だけ仕上げればいいから、楽しく仕事ができます」といった、今回募集する相手と同じ視点を持っている人の声を載せて、社内の仕事のイメージを、明確に持ってもらえるようにしました。(これが、ダイレクトセールス広告で言うところの「お客様の声」に相当します)。

 今回のコピーのほとんどは、今回私ではなく、管理や人事を担当する私の家内が、今回は作りました。

 実際に面接に来たアルバイトに聞いてみたところ、やはり似顔絵で親しみ易かった点はポイントが高かったとのことでした。最近の若者は、厳しいことや自分と離れた世代の人間とのつきあいをあまり好まない傾向にあり、その代わりに、居心地の良さや気楽さ等が求められているようです。スタッフ全員の似顔絵求人広告は、そうしたポイントにはまったようです。

 面接するアポイントが入ったのは16人で、ドタキャンを除いて実際に面接したのは10人。6人のうち、3人はキャンセルの電話もなし。こんな失礼な人がそれほどいるのは、求人誌営業担当女史曰く、「だいたいそんなもんです」。こんなことに、はじめて気がついたのも、これほどたくさんの問い合わせがあったから。採用は2人で、なかなか良い人材が採れました。早速来てもらってます!

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」8号 2002年11月15日号より抜粋、加筆、要約」)
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開業半年で30件の新規開拓に成功した行政書士のニュースレター

 次に、今年4月に行政書士事務所を開業したVさん。8月2日に私が講師になったセミナーに参加して、ニュースレターの効果や作り方を学ばれました。自社の強みを誌面で訴え、実績が出た事例です。
 注力したのは、一言では紹介しにくい行政書士のできる仕事を伝えることと、あまり知られていないお得な情報を提供することで、顧客が得をして頂くということ。もともとそうした「お得な情報」には明るかった梅野さんは、過去の経験から、そうした情報の提供が喜ばれることは、ご存じでした。
 文章はVさんが書き、デザインとイラストは外注。女性らしい、美しい誌面で、手に取った方がとけ込みやすいデザインです。
 飛び込みで全くの新規で配ることと、既存のお客様に配ることの両方を実施しました。飛び込みはあまり成果がなかったそうですが、既存顧客からの紹介客の獲得に成功しました。その数がなんと30件くらい。売上げは初回なのでそれほど多くはないそうですが、新規開業半年にしては、立派な成果です!
 行政書士業って、一回の単価は低くても、サービスの内容が満足されれば、必ず繰り返しの受注が見込めますから、長い目で見た顧客の価値は、思ったよりも高いモノです。しかも、紹介客はさらに紹介してくれやすいですから、一人のお客様の獲得の成功は、ネズミ算式の顧客数の獲得が期待できます。
 お話をしていると、仕事を楽しんいる様子が印象に残る、さわやかで何とも素敵な方。これからは、こんな女性たちが、自分が楽しみながら、お客様も楽しませながら、ワクワク仕事をして、成功されていく時代なのだなと、確信しました。何たって、「BE」の時代ですからね!
(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」6号 2002年9月15日号より抜粋、加筆、要約」)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ●プロが決して教えない効果が出る販促実例集

3倍の料金を払わせても私を満足させた靴磨きオジサンのアップセールス

 9月の終わり、東京に行った際、東京駅の丸の内口で、靴磨きをしてもらいました。
 靴磨きのオジサンは、駅出口の真ん前に3人並んでいましたが、空いていた向かって一番左の方にお願いしました。「500円」の札がかかっていました。「まあ、500円なら、いいかぁ」って思いながら、あまり気にせずに、座りました。

 すると、座って、靴を脱いだ否や、この靴磨きのオジサンは、「お客さん、この靴たぶん買ったときからこんな感じだったよね。ちょっと、黒さが薄いだろう? このまま磨いても、あんまりピカピカにならないんだよね。でもさ、これつけると、ぴかぴかの真っ黒けになるけど、どうする?」と、勧められました。「いくら」って聞くと、500円でした。500円の追加でピカピカになるのなら、いいやと思って、お願いしました。

 すると、言葉通り、ピッカピカになりました。靴を磨くのって、本当に気持ちがいいですね。嬉しくなって、今度は、「そういえば、僕、靴の底が斜めに擦れちゃうんですよ」って、言ったら、すかさず「靴底につけるペラがあるから、これつけてみたら」といって、見せてくれました。「これ付けとくと、減っても交換するだけだから、長持ちするよ。昔は金属製だったから、街歩くとキンキンうるさかったけど、今のはプラスチック製だから、音がしないんだよね。」と言います。私の靴底は、昔から斜めに擦れていたので、これはイイと思って、お願いしました。値段は、やはり500円でした。

 結局、私は500円の札をみて座ったのですが、終わった頃には1,500円を払って、すがすがしい気持ちで、靴磨きのオジサンのところをあとにしたのでした。

 これは、商売が本来あるべき姿を見せているストーリーだと思うんです。

 まず、500円というのは、基本料金です。これは、まあ、靴磨きサービスには不安なく払える金額です。値札をかけておかないと、ボッタくられたら叶わないという不安心理が働いて、お客さんは座ろうという気がおこりません。
 私が椅子に座り、靴を良く見た上で、ピカピカに黒くなるオプションを500円ですすめてくれました。

 確かに私の靴は、買って1年以上経っていて、そんなに良い状態ではありませんでしたから、「そんなにきれいになるのなら、試してみるか。まあ、500円だし」と言う風に思って、「じゃ、それでお願いします」と、口に出していました。

 さらに、セールスのタイミングが絶妙です。オジサンは親の代から数えて50年間、丸の内口で靴を磨き続けてきたプロ中のプロです。座る前にでも、靴を見ただけで、その液をつけないと黒くならないことは分かっていたはずです。でも、僕が座って、目の前で靴をよく見てから、「アドバイス」されました。座る前に、「お客さん、その靴、この液つけないときれいにならないよ」って言われたって、「いちいちうるさい靴磨きだ」と感じて、座らなかったかもしれません。座ったあと、靴を見たあとだったから、「ああ、職人さんがそういうんだから、間違いないんだろう」って、信じられたのです。

 今度は逆に、もし、この液をすすめてくれなかったらどうでしょうか。今度は500円が、なんだか高く思えたかも知れません。だって、ただ単にこするだけでは、大したつやは出なかったはずだからです。満足度は余り高くなかったに違いありません。本当にすすめてくれて、良かったと感謝しています。

 もし、お願い口調で「ぴっかぴかに黒くなる薬品があるんですけど、つけていただけませんか?」なんて言い方をされていたら、「別にいいよ」で終わっていただろうし、頼んだとしても、「つけてやったんだ」という感情が心に残り、良好な人間関係ができにくかったんでしょう。主人と奴隷の関係です。「俺は金払ったんだから、おれは偉いが、あんたは俺のおかげで、お金が得られた」という風な関係になるからです。
 しかし、「つけると黒くなるけど、どうする?」と、まるで医者か何かに言われるかのように、きっぱりと、営業口調でもなく、堂々と、「どうする?」と、選択をこちらに委ねて来たのです。

 オジサンは磨くのを始める前に、液をつけるかつけないかの判断をこちらに委ねてくれました。断る自由も、こちらにはありました。自分の判断が売り手に強制されたものではなく、正しい状況で判断を下せたという満足感が残っています。

 結局、私は当初の代金の3倍を支払って、大いに満足をしたのでした。

 このように、オプションをちゃんと売って、売上げを上げて、お客さんを満足させるというのは、まさしく、プロの商売人のやることだと、関心しました。マクドナルドで、注文時に飲み物を頼まないと「お飲物はいかがですか?」と聞かれるのと一緒です。アップセールスという手法です。しかし、マニュアル通りの機械的な対応とは違う、プロとして、「俺は結果の出る仕事しかやらねーぞ。その結果に対しての対価は、正当にいただくぜ!」という迫力を感じます。

 この靴磨きは、客である私に、対等の立場で、まるで医者のように、アドバイスをしました。売りつけるのではありません。「これつけるとさ、ぴっかぴかになるんだよ」って言って、「どうする?」って、選択権をこちらに委ねたのです。もし、「おつけになりませんか?」って売り込まれたら、「つけてやったんだ」って、なんだか高飛車な態度に出そうになります。しかし、選択権がこちらにあって、判断をしたのは自分なわけですから、そんな気には一切なりません。それよりも、「そんなイイ情報を教えてくれて、あなたはやっぱり、靴磨きのプロだ。今度もぜひ、お願いするよ」って気持ちに、僕はなっています。

 商売って、本当はこうでなくてはならないなと思いませんか? 売ってあげて、買った相手に感謝される。仕事をしていて、これほど気持ちが良く、嬉しいことはありません。これが一番ですよね!

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」6号 2002年9月15日号より抜粋、加筆、要約」)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ●プロが決して教えない効果が出る販促実例集

展示会の10分の1のコストで見込み客を集める手法

●商品はなくても、お客を先に集められる

 小冊子による顧客集めの方法をご紹介しましょう。

 住宅業界やカツラ業界、金融など、幅広い業界で、「今なら先着○名様に、小冊子をプレゼント!」というのが、よく行われています。
 実は、このセールス法、「2ステップマーケティング」といって、高額商品を販売する場合に大変効果的な手法として、幅広く行われている販売手法なのです。
 とにかく、見込み客が、簡単に集まってしまいます。小冊子を送った後、感想を聞いて、本当に興味があるかどうかを見極めてから、実際のセールスをします。あるいは、小冊子に案内書やセールスシートを同梱し、注文を受けてしまいます。飛び込みやのべつ幕なしにテレアポするのではなく、実際に興味があると手を挙げているので、セールスをしていても、商品を売り込まないといけないと言う感覚はなく、小冊子の中身についての話から始まるので、説得しなくてはならないストレスがないのです。

 昭和40年代頃の日本の高度成長期やバブルの時代には、商品を作る側の方が力が強く、買ってくれそうなところに飛び込みで行けば、ドンドン注文が決まったと聞きます。今でも超成長期にある製品では、作ったら作っただけ飛ぶように売れていくという世界もあるようですが、昔のように、何でも売れたのとはワケが違います。
 
 今はまさに不景気ですから、なかなかものが売れません。売れないどころか、一体誰がこの商品に関心を持っているのかさえも分からないのですから、セールスのしようがありませんね。しかし、この方法だと、セールスをすべき相手が、結構簡単に見つかってしまいます。商品を販売する際に、もっとも労力のかかる、買ってくれるかもしれない見込み客を探す仕事がすでに終わっていますから、あとは実際にセールスするだけです。

●さあ、あなたも小冊子を作ろう!

 小冊子は、20ページでも、30ページでも大丈夫です。50ページ、60ページ程度あると、それなりの束冊子の厚さが出せますから、さらによいです。文字は12ポイントや14ポイントにして、大きくしたり、写真や図版を入れて、なるべくページ数を稼いでください。
 価格もつけちゃいます。タイトルは、住宅会社なら、「欠陥住宅をつかまされない7つのポイント」とか、カツラなら、「あきらめないで!まだあなたの髪は増やせる!」、といった具合に、その悩みを持った人なら、欲しがるであろう情報が掲載されているものにします。本当に売りたい商品のことは、この小冊子の希望者を募る時点では、決して話してはいけません。小冊子内にも、書いてはいけません。とにかく、売り込みの臭いを消すこと。無料で差し上げる代わりに感想を聞かせて欲しいとか、アンケートに答えて欲しい、「私は業界の悪習に嫌気がさしたので、本当にユーザーのために活動している」、などと言うふうに、無料である理由も明示しておくことも、ポイントです。

 形態は私の場合、A5サイズに製本したものと、製本せず、A3サイズを2つ折りにして小冊子印刷をしたものの2通りを実行したことがあります。どちらも無料進呈の返信の率は高いのですが、今ひとつ成功率が低い。もらった側が嬉しいと感じるのは、やはり製本したもののようです。予算が許せば、ぜひ外注してください。私も、小冊子の外注を準備しているところです。作りが良いと、その後の反応が異なるようです。おまけに、本棚に立てて、保管することもできますからね。中綴じや製本なしでは、そうはいきません。

 小冊子をせっかく作っても、ほしがる人がいなかったらどうしようか? というご不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。それも払拭できます。作る前に、先にDMを出すのです。えっ、欲しいという人が来たら、どうするのかって? 請求者に対しては、「お待たせして申し訳ございません。請求者多数につき、予定を超えてしまいました。せっかくご請求頂いたのに、お送りできないのは何とも心苦しいので、現在増刷しています...しばらくお待ち下さい」などといった、ご案内を、ファックス同報で送っておけば良いのです。

 これなら、配ることができなかった小冊子の山ができて、処分に困るという不安も解消できますね。

 それでもリスクが大きいとお考えの方ならば、小冊子を自分で製本してしまうという方法もあります。実際に私はそうしました。ただし、私のものは中綴じだったので、高級感に欠けるという欠点がありました。

 しかし、せっかくの見込み客も、成約になると数%〜20%。数打たないと勝負になりませんから、やはり、100〜200件くらい集めてからアタックしないと、商売にはならないというのも事実です。

 仮に、1000部のA5版を作るとすると、本文・表紙とも1色で、レイアウト済みの原稿を入稿すれば、20万円はかからずにできるようです。見積もりを出入りの印刷会社から取ってみましょう。ワードで十分レイアウトできます。

 さて、では、成功実例を見てみましょう。

●1人で800人の戸建て建築希望者を集める

 まずは、ある土木業のZさんの例を見てみましょう。

 Zさんは、実家の土建業を経営していますが、現在は土建業を廃業し、あるNPO法人を作り、欠陥住宅ではない、適正な価格の住宅を供給するための会を、今年から始めました。
 この人のすごいのは、商品はまだないのに、会員だけは800人を超えて集めてしまったことです。最終的には1,000人を超えるでしょう。しかも、この方々は、この小冊子が欲しくて連絡してきた人ばかりですから、住宅建築を真剣に考えている人ばかりです。

 今後は、この会に賛同する工務店も組織し、Zさんのノウハウで現場を監理し、本当に手抜きのない良質な住宅を建てるためのコンサルタント的な活動を行っていくことになっています。現在は準備段階ですが、これだけの住宅建築見込み客リストを1人で持っている人を、業界が放っておくとは思えないですから、必ずうまく行きますね。商品はなくとも、顧客を集めることができる、好事例です。

 私は、サラリーマンを辞めて独立した時、最初に新規の顧客獲得のためには何よりも商品がないと、できるわけがないと単純に考えていました。しかし、今では考えは180度変わりました。商品を売る前に、先にお客を集めてしまうことができるのです!

 800人の住宅建築見込み客は、一体いくらかけて集めたのでしょうか。100万円もかかっていません。小冊子14万円、広告代40万円、その他フリーダイヤルなどの通信費に10万円等といった具合。1人1,000円程度で、住宅建築を真剣に考えている見込み客が獲得できたというのは、住宅業界にとっては、極めて驚異。50万部のチラシで、現場見学会への集客が50人来たとしても、1人2〜3万円程度かかるわけですから。

 この小冊子無料プレゼントの告知を、地元のタウン誌に出稿しました。
 告知は、見出しがまず重要です。「子供を持つ30代のお母さん」、「マイホーム、私にはムリだわ」という冒頭の部分は、呼びかけとして、非常に重要です。
ガイドブックの無料進呈が最初に案内され、その後NPO法人の紹介と、ガイドブックを手に入れることによるメリットを、書いています。そして最後に、「お申し込みは今すぐ!」とあって、フリーダイヤルの番号に電話かファックスするように呼びかけています。
 効果のある記事広告の必要な要素は、あまりパターンはありません。上のような要素を、同じ順番で書いて見てください。そして、記事のように見えるタテ書きレイアウトにするのも、重要なポイントです。

 小冊子プレゼントの反応率を高めるには、このように、手紙のようなスタイルは最高に効き目があります。これ一つで、130件くらいの反応があったとのことでした。
 地元紙の新聞記事にもなりました。記事はすさまじい反応で、電話がパンクしたそうです。2、3日間で400件くらいの資料請求があったとのことです。

 電話の応対は、人間ではなく、留守番電話でOKです。これなら、無人で応対でき、後でゆっくりアルバイトに文書化させれば良いからです。

 小冊子を請求した方へはニュースレターを出します。小冊子を受け取った人で、NPO法人の会員に登録を希望すると、ニュースレターが、無料で毎月送られてきます。
 このニュースレターの目的は、信頼感の醸成です。Zさんの活動は、「非営利」です。使命感に燃えた、元土建屋のオヤジが、あまりにも多い欠陥住宅に嫌気がさし、本当に作る側も買う側もにっこり笑顔でひき渡しができる、本当の良質な住宅供給のために、人生を捧げているのです。そのイメージは、新聞の記事での紹介や、こうしたニュースレターの配信によって、作られて行くのです。

 そして、Zさんは、良質な住宅を提供する執念に燃えた、本物の商売を追求する工務店だけを厳しく選別し、建築希望者に紹介をします。おまけに、引き渡しまで責任を持って、現場を監理し、決して欠陥住宅を作らないことを保証するのです。このサービスには、工務店からの紹介手数料という形での支払いでまかなわれます。これが、会の運営を維持していく収入となります。

 効果を上げられる広告の、一つの成功手法を使って、お客を集めることができるかできないか。Zさんは、できるから、大きな構想を立てて、推進していくことができます。できなければ、もしくは、効果的な手法の存在も知らなければ、以前の私のように、売り込みに行って、玉砕していくばかり。私がもし手法を変えなければ、今頃は一家で路頭に迷っていることでしょう。
 たった一つのスキルがあるかないかで、人生が天にも地にも落ちていきます。ぜひ、この小冊子による見込み客獲得法を、マスターして、不景気を乗り切ろうじゃありませんか!!

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」5号 2002年8月15日号より抜粋、加筆、要約」)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ●プロが決して教えない効果が出る販促実例集

売上高前年同月比8割増のDM改善の秘策

 さて、私のお客様に、今期、前年対比8割増の売上げで推移している通信販売会社さんがあります。年初から、印刷物の形態を工夫して、作り直したり、新しいものを作ったりして、飛躍的な成果を上げられています。
 新しいコストというのは、あまりかかっていないのです。かかったコストは、社長が頭を使ってアイデアをひねり出すためにかかった時間と、新しい版下をデザインしたり、印刷したりするコストだけ。それも、すでに注文を受けたお客様に向けてのみ出しますから、本当に少ない部数で、効果的にメディアを活用されています。

  顧客はシニア層。50歳から上の、すでに子供が育ち上がった夫婦などが対象です。販売は印刷物の配布と、コールセンターでの受注。現在の主力製品は健康製品です。これらの商品が今、ヒットしています。

 新規顧客を獲得するための広告は、新聞広告やチラシ、他社通販の納品パッケージへのチラシの折り込みなどです。こうした販促手法は、通販会社としては良くやっていることで、特に目新しいものではありません。

 社長に7月初旬に本社でお邪魔して聞いたところ、実行したアイデアのうち、やったことを聞いてみたところ、大きくわけると2つしかないとおっしゃいます。

@ 社長以下、全員の似顔絵を作った
A その似顔絵を使って、お客様からみて、親しみ度を増すように印刷物を改良した

これだけだそうです。

 もちろん似顔絵は、当会オリジナルの、似顔絵師「つっちぃ」が描く、全身ポーズ付きの、コミカルな似顔絵「わたしキャラ」です。

 最初、似顔絵はニュースレターに使いました。以前の似顔絵は、プロが描いたものではなかったので、それをまず替えました。これは、売り込みを目的にしたニュースレターではありませんでしたので、特に反応が増えたというものではありませんでした。

 次に、今年の3月から、似顔絵入りのお礼の手紙を商品が着いた数日後に着くよう出すことにしました。これで、未払い代金の督促が減った上に、発送漏れもスグに分かり、顧客満足度の向上に大いに役立ったとのことです。

 さらに、商品サンプルを入れるパッケージをつくりました。全社員の似顔絵を入れたものです。これを、商品の最初の発送時に同梱することにしました。すると、2割の率で、注文が入るようになりました。以前は同梱していませんでしたから、ここで生まれた注文は、そのまま売上げがプラスになりました。

●アンケートはがきが5倍以上に増える

 さらに、アンケートはがきを改良しました。アンケートはがきは、以前の担当者名も何もなく、「あなた様のお声をお聞かせ下さいませ」として、ただ社長行きとしていました。これを、担当者の名前と似顔絵入りのものにし、選択式のアンケートにし、書き込み欄を減らしました
 この結果、アンケートはがきの返信が、以前は一日に数通だったものが、30通ほどと、5倍以上に増えました。以前は数十通だったのが、月に500通来るようになったのです!

 量が多くなっただけではありません。お客様からのアンケートの内容が、商品に関するものだけだったのが、担当者を名指しで、感謝の言葉がつづられるようになるなど、大きな変化がありました。
 はがきを見ると、顧客が書いている文面が、明らかに変わっています。以前は単に、感想だけを「独り言」のように書いてあるだけでしたが、お客様からの声が、まるで個人的な知人への手紙のように、明らかに「語りかけ」になっています。
 文面には、商品を使った感想や、感謝の言葉が入るだけでなく、身の上話や家族の話題までもが入るようになりました。読んでいて楽しくなってしまいます。

 「以前からも、お礼のはがきが来たら、手書きの返礼をお出ししていました。以前だと、つぶやきのようなものしか来なかったので、書く側もどうしても通り一辺倒にしか返答できませんでしたが、身の上話やコラムへの感想なども書いて頂けるようになって、読んでいて本当に楽しいし、返事を書く方も身が入るようになりました」。

 返信は封筒で、プレゼントといっしょに送付しています。もちろん、返信は、1人1人に、すべて手書きで対応しています。

 このほかにも、最初のお届け時に商品と同梱する社長名のお礼の手紙を改良しました。以前のものに比べ、文面をかなり「馴れ馴れしく」(社長談)書き換え、似顔絵をつけたとのことです。受け取った顧客にとっては、親しみ度が上がったのでしょう。これで、その後のレスポンスが大いに上がったそうです。

 「以前も似顔絵はニュースレターにつけていましたが、それほど良いできのものではなく、こうした印刷物に使おうという発想は出てきませんでした。しかし、このつっちぃの似顔絵だと、いろんなものに使おうと言うアイデアが出てくるのです。この似顔絵をつけると、つけるだけでも印象ががらっと変わります。すると、この似顔絵なら、文章もこうしたほうがいいなとかいうふうな考えが出てくるので、結果的に個人のパーソナリティーを全面に出した、馴れ馴れしい文面ができました」(社長談)

 同社社長は、通信販売事業をより高いステージに引き上げたいと、今年初めから朝6:30に出社時間を早めてアイデアをひねり出し、実行した結果、このような成果を出したのです。

 「家から歩いて5分のところに会社があるので、6時半に出社して、みんなが来るまでの朝の時間は、本当にじっくりと考えが巡らせられます。これをやるようになってからですね。」(社長)

 広告費を大幅に増やすことなく、新しい社員を入れたわけではなく、印刷物の改良と、ちょっとした工夫で、大きな成果が上がる。これができるようになるには、まずは改良をやってみるしかない。やった結果、小さく成功すると、次はこれ、その次はこれと、次々とアイデアが湧いて、一つ一つ実行しているうちに、ドーンと大きな成功にぶつかったのです。
 もちろん、うまく行かなかったアイデアも出てくるでしょうが、それにめげることなく、実行していくと、必ず成功にぶち当たる。実行するのみですね。結果は、実行しないと出ませんからね。

 アンケートはがきを見ていますと、これだけ商品に満足されたお客様が、いわば「ファンレター」を、毎月数百枚も送られてくるというのが、なんとすばらしいことかと思います。社員は、これを励みにして、次の仕事に前向きに取り組むことができます。今回社長とともに、インタビューさせて戴いたスタッフさんも、本当に楽しそうにお話されていました。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」4号 2002年7月15日号より抜粋、加筆、要約」)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ●プロが決して教えない効果が出る販促実例集