2008年05月27日

舌を巻く、外資系ダイレクトセールス会社のDM制作ノウハウ

 アメリカでは、一人あたりのダイレクトメール(DM)の受け取り数が日本の7倍もあるそうです。あれだけ国土が広く、買い物一つするにも、車で何十qも走らなくてはならないところなだけに、通信販売が広く定着しているようです。

 7倍もの数のダイレクトメールを、個人が受け取っているとしたら、どういったことが起こるのでしょうか。日本に住んでいても、まあ、週に2通から3通、ないときはさっぱり来ませんね。特に、何にも買ったこともない通販会社からは、ほとんど来ません。

 しかし、アメリカに住んでいると、この7倍と言うことは、毎日数通受け取っているという勘定になります。また、それだけ多ければ、同じような商品のDMも、数多く来るでしょう。と言うことは、それだけDM同士の競争が激しいと言うことになります。相当な工夫が凝らされていないと、読んでももらえないわけです。

 と言うことで、今回は、アメリカの通販会社がうっているDMを、少し研究してみたいと思います。

●ノベルティグッズの通信販売会社の例

 このDMは、企業の経営者が、お客様に配布するノベルティをセールスするDMを出しています。実際に来たもので解説します。

 封筒の中には、セールス文書兼申込み書、返信用封筒のほかに、商品のサンプルとして、メモ型手帖のサンプルが同封されています。おまけに、ご丁寧に贈答用の箱までついていました。

 この手帖の厚さが5ミリほどありますので、まず封筒にものすごく厚みがありました。それに、アメリカからのダイレクトメールと言うことで、大変興味を覚えました。「何で私に?」と、不思議に思います。「厚み」と「縁もゆかりもない場所」をきっかけ(動機)に、捨てることなく封筒を開けてしまいます。

 ここで、第1の難関突破です。
 DMの封を開けさせるというのは、実はかなり大きな難関です。会社に来た場合、事務員の方が開けてから、必要なものだけが社長のところにとどきます。しかし、中身が厚いと、社員も捨てるわけにも行かないので、とりあえず社長のもとに届けるということができます。
 また、美しく印刷されているDMは、ゴミ箱へ直行するのがほとんどですが、このDMは、「厚み」と「縁もゆかりもない場所」のバランスの悪さで、まずは封を開けさせることに成功しています。

 開封すると、商品のサンプルが入っていました。「商品そのもの」を手にとって見てしまいます。それに、1冊タダでくれるなんて、気前のいい会社だなーと、「好感」をもちました。

 セールスシートを見てみましょう。
 まず、自己紹介で、この会社が、アメリカで50年の歴史を誇る、れっきとしたビジネスギフトの会社であることが分かります。まずは、怪しいものではないかという懸念を払拭しています。
 次に、「有効なビジネスツール」や、「貴社のイメージアップ」、「大切なお客様との永いおつきあい」などといった部分に下線が引いてあります。この3つのキーワードは、企業のトップやノベルティ(贈答品)を使った販促を担当している責任者ならば、頭の中でもっとも重要であると考えている言葉ばかりです。

 こうした、読み手の心をくすぐるキーワードは、こうしたDM販売のノウハウを持った会社は皆、極めて精緻に考えています。読み手が抱えている問題は何であるかをしっかりと捉えた上で、それを見事に解決できる、という切り口を、DMの文章で訴えかけるためにです。
 
 つまり、このDMは、メモ・ブックという商品の案内セールスなのですが、文章自体は、その商品を買ってくれというお願いをしているのではありません。このメモブックをお客様へ配布することで、貴社のイメージアップとお客様との長いつきあいの役に立たせませんかという「提案」をしているのです。

●期間限定割引と返金保証は重要!

 期間限定も重要な部分です。
 今回限りの25%サービスの価格が掲載されています。30日以内に申し込めば、この特別価格が適用されるとのことです。
 
 人間というのは、今すぐやらなければと言う期限を切られなければ、なかなか行動をしようとしません。もし、読み手がノベルティを何にしようかと頭を痛めていたとしたら、スグにでも飛びつくのでしょうが、通常ノベルティのことを考えている人などあまりいません。そのような方に、「今なら25%引きか」と、今行動しなければ、損をするということを、この部分で訴えかけています。

 30日以内の申込みメリットは25%引きだけではありません。「のし箱」も無料であるとの「特典」もついています。つまり、2つの期間限定の特典を、ここで強調し、期間が過ぎると損をしますよ、という印象を与えて行動を促しています。

 さらにだめ押しは、この部分はアメリカの通販会社は必ずと言っていいほど入っている全額代金返金という、保証の約束です。

 この記述は、買い手がためらっている原因の大きな要素である、「自分ののぞみの商品が来なかったら、クレームをつけることができるだろうか? 返金できるのだろうか? そうでないと、困るのだが」という懸念を払拭するのに、大きな役割を果たしています。発注担当者にとって、商品に問題があったら、困りますから。

 また、この記述があることで、「この会社は商品の品質に自信があるのだな」ということを、読み手に印象づけさせることもできます。「品質には自信があります」というよりも、「当社商品に満足行かない場合は100%ご返金します」と言うことは、「インパクト」があり、客観的なので、より大きな「安心感」と「信頼感」を与えます。

 返金保証は、DMの売り手としては勇気が要ります。ですが、この記述がうまく行く秘訣となり得ます。なぜなら、国内の法人向けのDMで、返金保証までをもつけているひとは、なかなか見ることができないからです。

 差出人を会社ではなく、会社の代表やマネージャーの名前にしています。こうすることで、DMを「手紙」という印象に変化させることができます。これも、アメリカ企業のDM戦略の常套手段です。

 このように、会社に来たDMですら、ノウハウの勉強をすることができます。
 ぜひ、今度DMが来たら、どういう工夫をしているのか、裏読みしてみることをお勧めします。

(08年5月27日 田上恭由)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ●プロが決して教えない効果が出る販促実例集
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/14887871

この記事へのトラックバック