2008年05月10日

ニュースレターの鍵は「信頼」

 ニュースレターでもっとも重要なことは、「信頼関係」を作り上げることです。
 信頼関係を持つと、心と心を通わせ合い、お互いがお互いを理解した上で、はじめて双方が納得する、良い商売が成り立たせられます。
 一度買って頂いたり、会ったりした方に、このニュースレターを送ると、記憶に残りますし、第一、信頼度が格段に増します。購入にいたる、重要なステップに、この「信頼関係」が、販売の心理学でも上げられていますが、まさに、これを作り上げることが、10円もかからない印刷代と、80円の切手代だけで、構築できてしまうのです!

 おまけに、お客様の方から、「今度こういうことをやろうと思っているんだけど、見積もり下さい」と、電話をかけてきていただけます。
 電話がお客様から来るということは、すなわち商談成立の可能性が非常に高いと言うこと。はじめから、米つきバッタのようにお礼をしたり、何度もあしげく通って、注文をお願いしたりする必要もありませんから、値引きもなし。
 通信販売業では、ニュースレターやその他の情報誌を送ることなく、商品だけを送っただけで業績を上げている会社はないんじゃないかと思います。

 商品をせっかく買って頂いても、リピートが少ない、クレームが多い、などと言った事例は、枚挙にいとまがありません。私の会社でも、日々クレームが起こっています。しかし、そうしたことは、提供している商品が本当に原因であることは少ないです。リピートが少ないのは、単に売り方が効果的でないだけですし、クレームが来るのも、品質に問題がある場合を除き、それは商品の注文時に、お客様の要望を満たせていなかったり、適切な情報をお知らせしていないだけのことが多いのです。
 それは、お客様の要望をすべて聞き入れていなかったと言うことです。と言うことは、正しい情報を伝えて、理解していただき、ご納得頂くということが、できていなかったと言うことになります。そうして、何らかの行き違いや、情報が足りなかったということがあって、クレームになるのです。

 商品は、お客様が「欲しい」と言って、ご購入頂くものです。でも、売上げに苦しんでいる営業マンは、売ることしか考えていないから、商品について過大に表現したり、悪い情報をなるべく矮小化して、伝えようとします。売り込みの強すぎる営業マンは、こうしたことを日常的に行っているから、嫌われるのですね。

 正しい情報をお客様にお伝えすること。これが、商売を円滑にし、リピート客を増やすのです。

 では、「正しい情報を伝える」には、どうしたらよいでしょうか。それは、文章が一番だと、私は思います。文字だと、お伝えしたいことを、容易にしかも正確に伝えることができます。

 人間同士の会話は、単語のつながりが結構バラバラです。感情にも左右されてしまいます。聞き手が話し手の意図を正確に理解しているかどうか、怪しいものです。同じことを伝えるのでも、笑いながら言うのと、暗い顔で言うのとでは、受け取り方が全然違いますからね。

 笑いながら「鈴木さんから電話がありました」と言われれば、ああ、何か良い電話だなと、無意識に感じますし、逆に暗い顔で、「鈴木さんから電話があった」と言われたら、反対に何か良くないことでもあったのだろうかと、考えてしまいます。

 しかし、文章だと、整理された情報を載せるのですから、会話よりは自分の伝えたいことが正確に伝わります。おまけに、何度も読み返すことができ、後日まで残すこともできます。文字は、言ってみれば「デジタルな世界」ですから、会話の持つ「アナログ」なあいまいさを排除できます。

 さらに、もう一つ必要なことがあります。本当に意図をまっすぐ伝えるには、言葉が正確なだけでは、まだ足りない、と言うことです。何が足りないかというと、それは発信側と受け取り側に横たわる、「信頼関係」です。

 嫌いな相手から言われたことを、その言葉通りに受け取れるでしょうか。嫌いな相手からの話など、どんなに良さそうな話でも、疑ってかかってしまいますね。今日はじめて会ったばかりで、その人なりをまったく知らない相手からの言葉も、やはり信じられません。

 しかし、そうは言っても、何度も何度も会うことはできませんし、お金もかけられません。では、一体何をやると、商売で必要な信頼関係を構築することができるのでしょうか。

 それは、「お客様の期待以上のことをやること」です。

 ニュースレターは、お客様に送りますよと言って出すよりも、予告なく、お届けすることで、「おお、こんないい情報を、わざわざ郵便で送ってきてくれた」という気持ちを、お客様に持たせることができるのです。つまり、お客様として、大切に扱われている、というふうに思ってもらうことになります。これが、「信頼」を得るための第一歩なのです。

 そのほか、購入して頂いた相手に対して、お礼のはがきや、ささやかなプレゼントを贈るなどといったことも、大変効果があります。

 その中でも、私の経験では、この信頼関係を作るのに、ニュースレターは最高の道具です。単にお礼やプレゼントをするだけではできない、もっと深いモノを作ることができるからです。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」10号 2003年1月15日号より抜粋、加筆、要約」)

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