もちろん、いきなり注文をさせるなんてことは、ダメですよ。それこそ、送った先から、クレームの嵐です。
では、何が効果的なのでしょうか。それは、小冊子やレポートなどの、「情報の無料プレゼント」です。
現代はモノがあふれ、どれが一体自分に合うのかが、分かりにくい時代です。そんな時代だからこそ、モノを選ぶ基準を教えてくれる情報は、買う側にとって大変有能な情報なのです。従って、反応が高く取れます。
レポートの内容は、たとえば、貴社がソフト会社ならば、「ソフト開発に失敗しない7つの成功の鍵」だとか、「ネットビジネス成功記」などといった、自分が欲しいと思った客が、きっとほしがるに違いないタイトルにしてください。また、印刷会社なら、「これが売上げが上がるデザイン10の実例」だとか、就職情報誌の広告営業なら、迷わず「その求人広告は間違っている! 反応を確実に取り、優秀な人材を集める求人広告実例集」などとしましょう。
●「最新レポートできました。今すぐ送付許可を」で
次に、ファックスDMの文面を作りましょう。
作り方は色々ありますが、「レポートを無料で差し上げます」ではなく、「最新レポートができ上がりました。今すぐ無料の送付許可をご返送下さい」というように、レポートができあがったばかりであるということを知らせ、さらに、「送付許可」というように、許可を出させるという優越感を多少出すことが、反応を取るコツです。
また、商品の説明は、一切入れてはいけません。「売り込み」であることをどこにも残してはいけません。
そして、緊急性を演出しましょう。
部数は、50部限定とかにしてください。そして「現在手元に38通残っております」と書き、さらに、「38部」と言うところを、手書きで、「28」等に、修正をします。もちろん、実際に来た数だけ、減らすのですが、来ることをすでに予測して、あらかじめ減らしておくのは、お客様にとって、良いことだと思います。
なお、残りが少ないとか、締め切りが迫っているという緊迫感は、反応を取るには大変重要な要素です。
書き込み欄は、項目を検証してください。
実際に自分で書き込んで、枠の高さや幅が足りるかどうか、検討を加えてください。また、モレがないかもチェックしてください。せっかく反応してくれたでも、担当者名の欄がないと、誰に届けて良いか分かりませんから、後でのセールスが不能になってしまい、DM作戦が失敗に終わります。
ファックスDMの下部には、囲み枠で、返送先ファックス番号を大きく書きます。そして、「24時間365日受付」の文句も入れておいてください。そんなことファックスだから誰にでも分かるだろうと思っても、これをきちんと入れておくほうが反応がいいようです。
なお、ファックス番号は、くれぐれも間違えないようにしましょう。番号間違いは、せっかくの虎の子の広告宣伝費をムダにするばかりか、間違い電話の番号の持ち主から、ヤンヤの非難の電話がかかってきます...。
●リストの選択と文面の工夫で、反応がまったく違ったものに
昨年4月から5月にかけて、全部で513通打って、63通、12.3%の反応率がありました。1資料請求のコスト(CPI)は、130円でした。使ったリストは、私の名刺から、適当であろうと思われる人に95通、「電子電話帳2000」から、「出版」がつく法人宛を抽出したモノから、200通、印刷業会向けの東京であった展示会の来場者218通で、反応は、それぞれ17件(17.9%)、6件(3.0%)、40件(18.3%)でした。電子電話帳には、社名は分かっても担当者名や社長名が分からないため、どうしても低くなってしまいますね。反対に、宛名が分かっていて、かつ、仕事に関係のある人たちを抽出できれば、かなり良い反応率が取れると言うことが分かります。
県内のある経営者団体に、1603通打ったところ、75件(4.6%)の反応がありました。CPIは319円でした。1回目で反応がなかった人たちには、もう一回送りました。見出しに、ちょっと焦らせる工夫をして送りました。ただし、1回目は8.9%の反応率でしたが、2回目は1.9%と、およそ5分の1に落ちます。おまけにクレームも増えますから、2回は送らない方が良さそうです。
しかし、「電子電話帳2000」の、ファックス電話帳から抽出した、福岡県か企業約24000件のなかから、100件ほどに打ったところ(有効送信数は69)、1件も反応がありませんでした。このリストは、社長の名前がないので、会社名御中で出したため、どうやら担当者のところまで届いていないようです。おまけに、ファックスの文面にも問題があったのかなと考えました。そこで、別バージョンを作って送ってみましたが、これでも、395通送ってたったの2件(0.5%)。そこでさらに改良版を作りました。
やはり、誰に送るかがポイントなので、「売上げを上げることを真剣に考えている若手の経営者へ」としてみました。
すると、今度は反応が一気に4倍近くに上がりました。6月21日金曜日に210通出して、4件の反応がありました。
また、昼間と夜間の送付では、夜間の方が高い反応率となるという結果が出ています。5月13日月曜日の17:22にファックス同報サービス(後述)で79通出したときは、反応率は5.1%でしたが、翌日火曜日の20:30に392通出したときは、9.7%でした。倍近くの違いがありました。
たぶん、出社したばかりの朝の方が、きちんとこうしたファックスはきちんと見てもらえるのでしょう。
(出所:田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」3号 2002年6月15日号より抜粋、加筆、要約)
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