2008年05月29日

通信販売会社はどうやって儲けるのか?

 DMを日本企業に送りつけて営業する、アメリカのビジネスギフトの会社があります。
 果たしてこの会社はDMで、一体いくらの収益を稼ぐことができたでしょうか。

 1回の注文平均数は、初回ですからまり多くはないでしょうから100冊としましょう。そして、DMのオーダー率が1%だったとしましょう。200通に一人が買ったと言うことです。商品売上げは525円×100で約5万円です。
 
 DM100通の費用は、推測ですが、1通300円程度と思われますので、100通で約3万円。また100冊のメモ・ブックの制作費は、名入れ料も入れて、1冊100円程度とすると1万円。合計で4万円です。
 5万円の売上に対して、経費は4万円。1万円の粗利益と言うことになります。

 果たして、これでこのDM会社は儲かるのでしょうか?

 その秘密は、「生涯顧客価値」という、お客様一人ができたあと、その後どれだけの収益を企業にもたらすかを、過去の経験則から計算した数字にあります。

 これは、「既存顧客は全くの新規顧客に比べて、販売をするのは容易である」ということにもつながっています。

 仮に、このメモ・ノートを購入した顧客のうち、半分がその品質や企業の姿勢に満足したとします。そして、この半分の顧客が、その後この会社に、繰り返し発注をしたとします。1回目は100個だったのが、次の年には1000個になるかも知れません。他社を紹介してくれるかも知れません。

 そうすると、最初の売上げは微々たるものでも、5年や10年の間に、その何十倍、何百倍もの売上げをもたらしてくれるのです。

 しかも、法人取引の場合、一旦取引が始まると、納期や品質等が毎回予測がたつため、あまり仕入先が変わることがありません。(もちろん、信用を得るための努力は不可欠ですが。)担当者も、自らリスクを背負ってまで、仕入れ先を変えるということも、あまりありません。

 通信販売というのは、一発で売って、儲かるだけではなく、リピートオーダーをいかにして引き出すかが、高収益の秘密なのです。お客様を長い期間かけて優良顧客に育てる。どんな商売も、基本は、「お客様との関係を維持・発展する」ですね。
(08年5月29日 田上恭由)
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2008年05月28日

デパチカの元気の秘密は「笑顔」

 とある日曜日、福岡市天神にあるデパートに、買い物に出かけました。地階の食品売り場で漬け物の特設売場がありました。

 自分の店の屋号が書いてあるはっぴを着た大将は、品定めをしている私たちお客にこんな風に語りかけました。

 「このべったらは、私が作った甘酒でつけてあるから、あっさりしていて、美味しいよ」。

 大将の穏やかで自然な笑顔は、商品への自信と誇りを感じさせてくれました。営業スマイルではく、自信に満ち溢れた笑顔。思わず「これだ」と膝を打ちたくなるほどでした。

 で、買ったかどうかって?もちろん、買ってしまいました。

 対面販売をする際重要なことは、商品の説明の仕方これは当たり前のことです。ただ、それだけでは、どんなに良いものも売れません。そうです。売り手側の「笑顔」が、大きなポイントなのです。
 
 笑顔なしで、「これ、美味しいよ」と訴えかけられて、買う気になるでしょうか? ならないですよね。
 「商品への自信」に裏打ちされた「笑顔」。これができるかできないかで、売れるか売れないかも決まります。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」14号 2003年5月15日号より抜粋、加筆、要約」)
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2008年05月27日

舌を巻く、外資系ダイレクトセールス会社のDM制作ノウハウ

 アメリカでは、一人あたりのダイレクトメール(DM)の受け取り数が日本の7倍もあるそうです。あれだけ国土が広く、買い物一つするにも、車で何十qも走らなくてはならないところなだけに、通信販売が広く定着しているようです。

 7倍もの数のダイレクトメールを、個人が受け取っているとしたら、どういったことが起こるのでしょうか。日本に住んでいても、まあ、週に2通から3通、ないときはさっぱり来ませんね。特に、何にも買ったこともない通販会社からは、ほとんど来ません。

 しかし、アメリカに住んでいると、この7倍と言うことは、毎日数通受け取っているという勘定になります。また、それだけ多ければ、同じような商品のDMも、数多く来るでしょう。と言うことは、それだけDM同士の競争が激しいと言うことになります。相当な工夫が凝らされていないと、読んでももらえないわけです。

 と言うことで、今回は、アメリカの通販会社がうっているDMを、少し研究してみたいと思います。

●ノベルティグッズの通信販売会社の例

 このDMは、企業の経営者が、お客様に配布するノベルティをセールスするDMを出しています。実際に来たもので解説します。

 封筒の中には、セールス文書兼申込み書、返信用封筒のほかに、商品のサンプルとして、メモ型手帖のサンプルが同封されています。おまけに、ご丁寧に贈答用の箱までついていました。

 この手帖の厚さが5ミリほどありますので、まず封筒にものすごく厚みがありました。それに、アメリカからのダイレクトメールと言うことで、大変興味を覚えました。「何で私に?」と、不思議に思います。「厚み」と「縁もゆかりもない場所」をきっかけ(動機)に、捨てることなく封筒を開けてしまいます。

 ここで、第1の難関突破です。
 DMの封を開けさせるというのは、実はかなり大きな難関です。会社に来た場合、事務員の方が開けてから、必要なものだけが社長のところにとどきます。しかし、中身が厚いと、社員も捨てるわけにも行かないので、とりあえず社長のもとに届けるということができます。
 また、美しく印刷されているDMは、ゴミ箱へ直行するのがほとんどですが、このDMは、「厚み」と「縁もゆかりもない場所」のバランスの悪さで、まずは封を開けさせることに成功しています。

 開封すると、商品のサンプルが入っていました。「商品そのもの」を手にとって見てしまいます。それに、1冊タダでくれるなんて、気前のいい会社だなーと、「好感」をもちました。

 セールスシートを見てみましょう。
 まず、自己紹介で、この会社が、アメリカで50年の歴史を誇る、れっきとしたビジネスギフトの会社であることが分かります。まずは、怪しいものではないかという懸念を払拭しています。
 次に、「有効なビジネスツール」や、「貴社のイメージアップ」、「大切なお客様との永いおつきあい」などといった部分に下線が引いてあります。この3つのキーワードは、企業のトップやノベルティ(贈答品)を使った販促を担当している責任者ならば、頭の中でもっとも重要であると考えている言葉ばかりです。

 こうした、読み手の心をくすぐるキーワードは、こうしたDM販売のノウハウを持った会社は皆、極めて精緻に考えています。読み手が抱えている問題は何であるかをしっかりと捉えた上で、それを見事に解決できる、という切り口を、DMの文章で訴えかけるためにです。
 
 つまり、このDMは、メモ・ブックという商品の案内セールスなのですが、文章自体は、その商品を買ってくれというお願いをしているのではありません。このメモブックをお客様へ配布することで、貴社のイメージアップとお客様との長いつきあいの役に立たせませんかという「提案」をしているのです。

●期間限定割引と返金保証は重要!

 期間限定も重要な部分です。
 今回限りの25%サービスの価格が掲載されています。30日以内に申し込めば、この特別価格が適用されるとのことです。
 
 人間というのは、今すぐやらなければと言う期限を切られなければ、なかなか行動をしようとしません。もし、読み手がノベルティを何にしようかと頭を痛めていたとしたら、スグにでも飛びつくのでしょうが、通常ノベルティのことを考えている人などあまりいません。そのような方に、「今なら25%引きか」と、今行動しなければ、損をするということを、この部分で訴えかけています。

 30日以内の申込みメリットは25%引きだけではありません。「のし箱」も無料であるとの「特典」もついています。つまり、2つの期間限定の特典を、ここで強調し、期間が過ぎると損をしますよ、という印象を与えて行動を促しています。

 さらにだめ押しは、この部分はアメリカの通販会社は必ずと言っていいほど入っている全額代金返金という、保証の約束です。

 この記述は、買い手がためらっている原因の大きな要素である、「自分ののぞみの商品が来なかったら、クレームをつけることができるだろうか? 返金できるのだろうか? そうでないと、困るのだが」という懸念を払拭するのに、大きな役割を果たしています。発注担当者にとって、商品に問題があったら、困りますから。

 また、この記述があることで、「この会社は商品の品質に自信があるのだな」ということを、読み手に印象づけさせることもできます。「品質には自信があります」というよりも、「当社商品に満足行かない場合は100%ご返金します」と言うことは、「インパクト」があり、客観的なので、より大きな「安心感」と「信頼感」を与えます。

 返金保証は、DMの売り手としては勇気が要ります。ですが、この記述がうまく行く秘訣となり得ます。なぜなら、国内の法人向けのDMで、返金保証までをもつけているひとは、なかなか見ることができないからです。

 差出人を会社ではなく、会社の代表やマネージャーの名前にしています。こうすることで、DMを「手紙」という印象に変化させることができます。これも、アメリカ企業のDM戦略の常套手段です。

 このように、会社に来たDMですら、ノウハウの勉強をすることができます。
 ぜひ、今度DMが来たら、どういう工夫をしているのか、裏読みしてみることをお勧めします。

(08年5月27日 田上恭由)
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2008年05月24日

ある居酒屋チェーン店で驚いたこと

 普通の居酒屋なら、店員が応答で忙しかったりすると、「いらっしゃいませぇ。お飲物はぁ、何にしますかぁ」と、忙しそうに言われて、「生2つ!」と言って終わりです。「ありがとうございますぅ」という声は合ったとしても、お辞儀をされることなどまずありません。
 しかし、その流行っているチェーン店では、忙しいときでも、違うのです。 二人で入ってカウンターに座った後、アルバイトが最初に注文を取りに来たときです。「本日はご来店誠にありがとうございます。」と言って、お辞儀をしてから、「ご注文はいかがなさいますか?」と言ったのです。

 お金をかけずに、お客様を増やす方法。人は、ものを買ったり、食事をしたりしているようで、実は、「心地よいもてなし」を買いに来ているのです。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月23日

居心地のいい居酒屋と悪い居酒屋

 ある日入った、会社の近くの居酒屋では、大変がっかりした経験をしました。深夜で客は私一人でした。店長らしき人物は、料理を運び終えると、スポーツ新聞を読んだままで、私に一言も話しかけてきてくれませんでした。
 
 それから、できあがった料理を、カウンターの前の調理場から、片手で、直接渡されました。カウンターのショーケースの上には、ものがたくさんあって、調理場とのコミュニケーションを塞いでいるようでした。おまけに調理場が低くなっていないようで、板前さんに、上から料理を渡されるような印象がありました。
 
 結局、注文の時以外は店員の誰とも口をきくこともなく、店を後にしました。
 後に残ったのは、「ここにはもう二度と来ない」という気持ちだけでした。

 反対に、会社の近所のある居酒屋は、いつ行ってもにぎやかです。私もなぜかつい足が運んでしまうのですが、「居心地の悪い居酒屋」の経験から、その理由(ワケ)が分かりました。

 店員が明るくて、向こうから話しかけてきてくれます。カウンターが低くて、焼き場の店員と気軽お話ができます。料理はカウンター越しに渡さずに、必ず客席の方にホール係がでてきて、しかも両手でもって、「お待たせしました」と持ってきてくれます。もちろん忙しいときは、その限りではないこともありますが、少なくとも、がっかりしたことはありませんでした。
 
(それにしても、人前で新聞を読むというのは、結構印象の悪いものです。気をつけようっと)
(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月22日

お客様を心地よくする、お金の一切かからないサービスとは?

 先日の日経ベンチャーに、福岡市博多区のあるケーキ店の話が載っていました。以前利用して、感激したことがあったので、記事を見て驚きました。

 この店は、一度行ったら、忘れられないほどの、強烈なサービスがあります。それは、
● 商品の手渡しは、レジが終わってから、必ず表にでてきて、
  両手で商品を手渡しすること。
● 購入して帰るお客様を、店舗の外までお送りしてお客様の
   姿が見えなくなるまで、お辞儀をすること。

 この2つです。

 レジから表に出てきて手渡しする、というのは今ではかなり当たり前になりました。
 しかし、「姿が見えなくなるまでお辞儀をする」のは、未だに、ほとんど体験例がないのではないでしょうか。実際に受けると、相当驚きますよ。

 私がはじめてそれを目の当たりにしたのは、もう3年ほど前でした。車での買い物でした。バックミラーから見てましたが、本当にずっとお辞儀をしてました。それを始めた年は3割も売上げが伸びたのだそうです。
 
 このサービスは、社員が自発的にはじめたことだそうです。なんとすばらしいことでしょう。実際に値引きしたわけでもありません。「有形」のものを販売するのに、「無形」のものが後押しをするのです。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月21日

在庫処分を成功させた4つのポイント

 あるスポーツ用品店の、在庫処分を目的に実施した、既存顧客向けのはがきDMを取り上げます。317通で、115件のクーポン利用率。反応率36%。おかげで在庫がきれいに捌けたそうです。本当によかったですね。品揃えを常に新しくしていかないと、お客様が離れていってしまいます。また、在庫を貯めないと言うことも現実的に難しいわけですから、この在庫処分をどうするかと言うことは、ショップ経営では、重要なスキルとも言えます。
 
さて、このスポーツ用品店の成功の要因は、

@ 対象を既存客に絞ったこと
A DMで出したこと
B 顧客の購入額に応じてのクーポン券
C 期間限定

この4つの要因どれか一つでもかけていたら、うまく行かなかったでしょう。クーポン券の値引率「半額」のインパクトも、大きいですが、今回はそれを除いた成功のヒントを、探ってみたいと思います。

 既存顧客だけを対象にした点。これが一番大切です。既存顧客というのは、何らかのカタチでお店のことを覚えているものです。特に何度も来店しているお客様なら、店員や店長とは顔なじみでしょう。人間的なつきあいができています。そういう方々にDMを出したことは、反応率を高める大きなポイントです。

 また、不特定多数を対象にした場合は、新聞やチラシなど、大量にばらまく必要が出てきます。そうすると、在庫処分で半額などということを、まだ来ていない客に知らせることになり、ショップのイメージががた落ちになります。
 既存顧客なら、「ああ、この間あれを買った店か。こんなお得な情報をわざわざお知らせしてくれて、良い店だなぁ」と、良い印象を持ってもらえることになります。
 もちろん、自分が買ったものと同一商品が、直後に半額になった場合は気分を害します。その点だけは、ご注意を。(私が申し上げるまでもないですね)

 既存客は、店の名前を見ただけで、店内の雰囲気や店長の顔を思い出してくれる。「あ、何か来たな」と、DMをみてくれる可能性はすごく高いです。そして、DMはチラシと違い、「特定の人にしか出していない」、と言うメッセージをいっしょに届けてくれます。日頃から利用しているお客様は、「わざわざ送ってきてくれた」、と思うでしょう。


 もし、新聞に以下のようなチラシを折り込んだとしましょう。どれほどの反応が期待できるでしょうか。

「●●店のご愛顧、誠にありがとうございます! 本日は、特別によく利用していただけるあなた様に、特別価格にてのご奉仕をご用意しました!」

 これでは、お客様は、自分に宛てられたとはお思いにならないので、反応は芳しくないことになります。

 次のキーワードが「クーポン券」です。
 昨今は街を歩くと、どこででもクーポン券がついた無料の情報誌が簡単に手に入ります。配布されているティッシュには、必ず「持参の方に値引き」と書いてあります。持っていくと安くなるというのは、強力な来店動機(集客)につながることが、すでに実証されているのです。

 「クーポン券」は、単純にすべての商品を「○%オフ」としたのではなく、「ウエア○%引き券」、「シューズ○%引き券」と、分けて封入されたそうです。そして、ポイントカードの記録から、顧客の過去の購入額に応じ、金額や枚数を変え、複数の品目のクーポン券を入れたそうです。もし、買いたい商品があれば、「クーポン券が使えるチャンス」と思って、購買意欲が高まります。加えて、購入額に応じて差別化を図っていますから、「私だけ」という優越感をくすぐっています。

 さらに、期間を限定したこと。これは、行動を促す大きな要因です。期限がないと、いつまでも行動しない。これは人間にありがちなこと。いつまでと決められると、「あ、いかなくちゃ!」といって、行動をはじめるのが、人間の心理というものでしょう。

ステップ1 手元にある既存のお客様にDMを送ってみましょう。
ステップ2 そのDMに、期間を限定したクーポン券を同封してみましょう。
ステップ3 1、2に加えて、お客様語との差別化を図ってみましょう。

ステップ3はすこし作業の手間がかかりますが、お客様の実際の購入金額や購入したものの情報を頭に入れるよいチャンスです。この事例を参考に検討してはいかがでしょうか。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月20日

ニュースレターは、手作り感覚を忘れずに!

 今回は、手書き感覚のニュースレターの作り方についてです。
 あるギフトショップのニュースレターの事例でご報告しましょう。

印刷の仕上がりが、いい雰囲気がでています。
 
 囲みの罫線の太さが微妙に変わっていて、しかも太めの線になっている。チョット見ると手書きかなと思ってしまいます。   
 しかし、これは決して手で引いたものではないのです。ソフトで引いたものであるのは間違いがありません。また、題字後ろのグレーの部分は、濃淡が一定ではなく、荒れているようになっています。
 
この手作りのような雰囲気は、ニュースレターにとって重要なことなのです。それは、「わざわざ作っている」という気持ちを伝え、「少ない枚数だけ作っている」という「仕掛け」なのです。
 
クレジットカード会社からの請求書には毎月たくさんのカラーチラシがはいってきます。あのような美しい印刷物を、よく行く店の店長が作って、郵送でくれたとしても、嬉しいでしょうか? 「何だ、何かのチェーン店か」っていう風に、何か組織的な売り込みの仕組みの存在を感じてしまい、いやーな気持ちになるものです。

 最近のコンビニエンスストアは、カラーコピー機があり、モノクロ印刷もそれでできます。結構それを使っている方もいらっしゃいます。しかし、黒いところがオイルで光っているので、手作りの雰囲気がでません。
 
モノクロのコピー機でも、最近のデジタル機は、改良が加わって美しく、シャープに印刷されるのは良いのですが、美しすぎてかえって人間味がないように思えます。以前のアナログのコピー機は、線がまっすぐでなく、微妙に波になっていたり、かすれがあったりして、今となっては懐かしく思います。

私はデジタル機のシャープ感が嫌いで、展示会で配布するニュースレターは、わざわざ3回くらいコピーして原稿を荒れさせ、手作り風に仕上げたこともあります。

 では、どうしたら、手作り風になるのでしょうか?

 その秘訣は、コピー機ではなく、「リソグラフ」(理想科学工業鰍フ製品)という、インクを使う印刷機を使うことです。あの、年賀状でよく使う「プリントゴッコ」を発売している会社の製品です。

 この「リソグラフ」という機械は、昔小学校には必ずあった、手で回してテストや学級便りを刷っていた、「謄写版」と同じ原理の「孔版印刷」と呼ばれる仕組みになっています。いわゆる「ガリ版」です。
 
「ガリ版」は、専用の紙に、針のようなペンで、キズをつけて版を作っていましたね。間違えたら、赤いインクで修正して、乾いてから再度書いてました。
 
「リソグラフ」は、そのガリ版と全く同じ原理で、「がり版」があります。
原稿を紙で作ったら、それを工学的に転写して、ガリ版を作る部分と、インクを付けてローラを回すところが自動化されているだけで、原理はまったく変わりません。
 
インクを使うので、あまり薄い紙だと裏に写ったり、ベタ面がかすれたりするのですが、そこがかえって、暖かい雰囲気が漂います。
 
 塾や学校などは必ず持っていらっしゃいますが、プリントショップさんなどで頼むことができます。1枚3〜5円程度で刷ってもらえると思いますヨ。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」13号 2003年4月15日号より抜粋、加筆、要約)

2008年05月19日

無差別メールでの効果的な販促事例(資料付き)

 インターネットを使った販促事例は、これまで紹介したことがありませんでした。中でも、無差別メールを使った方法は、近年は「スパムメール」(迷惑メール)として、出した人は社会的に悪者扱いされています。反応率も、送付を承諾されたものに比べれば、「未承諾」のメールの反応率は、極端に悪いのが実情です。

 先日受け取ったものは、極めて上手にかかれていました。この内容は、紙ベースのモノにも十分参考になります。ご紹介しましょう。(<@>などとなっている部分は、私が説明をするためにつけたものです。)

 逆に言えば、「未承諾メール」と件名につけてしまえば、送ること自体は違法ではないので、ガンガン送ってしまえば良いのだとも言えます。

 私のメールアドレスには、こうした未承諾のメールが、1日数通(注:08年の現在は数百通)来るので、通常は無視しています。特に、<@>の部分のように、「突然のご連絡で...」といった部分がある場合は、すでにその時点で「未承諾メール」と分かるので、無視する癖がついています。
 しかし、少し読んでみると、<A>のように、「現在ご利用中のサーバをチェックしていただけたら」となっておりました。何かの商品の良さを訴えたり、キャンペーンでお得などと書いてある、よくあるメール広告のようなものではありませんでした。単に、サーバの回線品質チェックをお願いされているだけで、しかも、自分のサイトの品質がチェックできるということで、まあ、試してみるか、と言う気になりました。
たまたま、ホームページのサーバーを社内の回線から、外部の回線に移設しようとある業者に申し込んでいたので、少し興味をもちました。

 さらに、<B>のように、こちらの自尊心もくすぐるような部分も入っています。「規約上OK」とか、「内容もきちっとされている」と判断したところにだけ送ったと、書いてあります。単純に自動的に送ったということではないという点には、好感を持ちました。

その後は、数値的な部分で、どんどん信用してしまいました。

まだこの会社に申し込んではいませんが、魅力的な文面がちりばめられています。<C>で3ヶ月間無料を訴えています。<D>では、今度は現在使っているホスティングサービスの残り契約期間がある場合に、「バックアップ」として使えるということを訴えて、契約変更による残存期間の支払いも、ムダにはならないことを訴えています。
 <E>で、もともと使っていた遅いサーバはバックアップで、新しく契約したサーバは本番発信サイトで使うと言うことを、「非常に賢い使い方」と持ち上げ、これまで遅いサーバを使っていた読み手の仕事を、決して否定するのではなく、むしろ「賢い」と賞賛しています。
 
 本来は、「あなたの今のサーバは遅いからダメ!」と、一刀両断で言ってしまいたくなるところを、バックアップで使うのが「賢い」と言い換えてしまう。「自分の過去の選択を間違いと認める」ことを強要するのではなく、むしろ「賞賛」するというこの心憎いテクニックは、使えますねぇ。
 新規が取れないこの不況下、他社のサービスを受けている顧客を、自社に寝返らせることができなければ、自社の売上げを増やすことどころか、他社に奪われてしまいます。しかし、他社の悪い点を強調すると、企業の担当者の場合、今度はそれが担当者の今までの仕事を否定したこととなり、話を聞いてもらえなくなりますからね。その危険を、見事に回避しているのが、この文章の最後の部分です。

 「あなたの現在の選択は、正しい。しかし、私の方を選択すると、もっと正しい。だから、ぜひ、当社に乗り換えたほうがよい....。」といわれるのと、「あなたの選択は間違っている。しかし、私の方を選択することは正しい。だから、当社に乗り換えたほうがよい...。」のどちらが受け入れられやすいでしょうか...。前者は、今の顧客を認めています。後者は逆に否定しています。否定はセールスの場面に限らず、ダメですよね。人間、認められない限り、心を動かしませんから...。


<資料>

資料 @
株・・芦颱踉子 ワイコム・瘢雹パブリッシングシステムズ

ホームページご担当者様へ

<@>
突然のご連絡で誠に恐縮です。******の***です。 

ycomps.co.jpのホームページを拝見させていただいて、ご連絡させていただきました。
お手数で大変恐縮なのですが、ホームページご担当者様へこのメールをお渡しいただけましたら幸いです。

現在ご利用になられているサーバの回線品質や設置場所をチェックさせていただきまして国内設置のサーバではいらっしゃいますが、ご担当者様にて実際に現在ご利用中のサーバをチェックしていただけたらと思いご連絡させていただきました次第です。<A>

ちなみに当メールは不特定多数にお送りしているものでは決してなく、業務の合間を見ていろいろなサイトを拝見させていただいていてサーバの回線品質をチェックしたり、コンテンツ等から弊社がホスティングご提供する先として規約上OKというだけでなくその内容もきちっとされていると判断させていただいたところだけにお送りいたしております次第です。受信された方にとっては不特定多数に送られる広告メールと同じ一通でご迷惑なのかもしれませんが、古くから商習慣としてある、例えば車の乗り換え提案のように、一件一件丁寧にご提案を含めて営業をさせていただいておりますことを念のためお伝えいたしたく存じます。<B>


さて、雑誌でもご紹介して大好評のサーバ品質チェックですが、次のアドレスでドメイン名を入れるだけで簡単にご利用いただけます。
もちろん無料です。

http://internet.ad.jp/servercheck.html

現在ご利用になられているサーバの回線品質や設置場所が明らかになります。

多くのサーバユーザーの皆様がドメインを登録されてはじめてご利用されたホスティング業者様のサーバからより高品質より低価格な共用サーバに乗り換えたり、共用サーバから専用サーバへアップグレードされる方、専用サーバをご利用されていてその管理の手間を省くことからホスティング業者側のプロが管理する共用サーバに乗り換える方など、現在乗り換えが非常に多くなってきています。

もし、ホスティングをご利用中で、サービスの契約更新時が近づいてサーバの乗り換えを検討してみるときなど「全てのホスティング業者様」のサーバについてドメイン名を入力するだけで客観的な数値として比較できますので、上記URLをブックマークへ加えて是非ご活用ください。

さらに、お得な情報ですが、このメールをご覧いただいて2003年4月18日までにお申し込みいただいた方に限定いたしまして、サーバご利用期間を、

              【3カ月無料】!!

にして共用・専用サーバともに初回ご利用期間に3カ月を追加させていただきます。
<C>

他社でサーバを現在ご利用されていて、契約期間が3カ月先まで残っている場合でも損はすることなく、国内最高クラスのサーバにすぐ乗り換えられ、超快適なアクセスを一日も早く開始できます!!

3カ月無料サービスは当メールをご覧いただいた方のみのご提供となっておりますので、お申し込みフォーム最後の備考欄に「**メール3ヶ月無料サービス」とご入力いただくことでご提供します。

やはり、より高品質で日本全国快適にアクセスできる弊社サーバをご利用されるのは一日も早い方が宜しいのですが、お支払いになったご利用料について元を取りたいですよね。

そこで、弊社のサーバに乗り換えられた後、旧サーバのご利用できる期間はデータバックアップサーバとしてご利用になるのはいかがでしょうか?
<D>

ドメインを旧サーバから引き上げるとウェブ表示とメール送受信は新サーバでのみとなりますが、実はどこのホスティング会社のサーバもFTPはIPアドレスでドメイン引き上げ後も必ずアクセス可能です。
ここがポイント!なのです。

バックアップサーバはデータ管理上データセキュリティを高めたい場合に非常に有効で、お客様側で必要なものですが、FTPを使って旧サーバをご活用されるのが「実は得策」であります。

弊社サーバにアップロードされたコンテンツデータ一式を圧縮ファイルにして、毎日1回外部のサーバに自動でFTPでアップロードする機能もご利用可能です。

良心的な業者様ですとお支払い済み契約期間が残っている場合その期間において旧サーバはご利用可能で、逆に利用できなければ規約にその旨書かれていない限り契約不履行でもありますので、移行後即サーバを切られないように移行前にはIPアドレスでの利用を主張されておかれることをおすすめします。

そして、一日も早く、より高品質な弊社サーバから日本全国へ超快適に情報発信されて、データのバックアップは比較的低速な旧サーバで十分なことからフルに活用する。
これは「非常に賢い使い方」なのであります。
<E>

さらに、旧サーバの契約が切れる直前ぐらいにフリーでFTP領域を提供しているサイトに今度はデータバックアップ先を切り替えれば「より賢い使い方」になります!!

最後まで読んでいただきまして誠にありがとうございます。心より感謝いたします。

サーバに関するものも含めて特にご要望などは前向きに実現していきたいと常に弊社一同考えておりますので是非ご一報ください。

また、メールがご迷惑の場合はお手数で恐縮なのですが、ご一報ください。今後送らないようにいたします。

取り急ぎご連絡まで

どうぞよろしくお願い申し上げます。

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担当:** 
*****−SERVER
*********システムズ株式会社 
東京都千代田区**************************
Tel:03-****-**** Fax:03-****-****
http://www.*******.ad.jp/
E-mail: ***@*******.ad.jp
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<資料終わり>

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」12号 2003年3月15日号より抜粋、加筆、要約)
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2008年05月17日

たった50枚でも、7件の注文増をもたらしたチラシ

 長崎のある食品スーパー店長のチラシは、極めて高い反応率をたたき出しました。

 このチラシのすばらしい点は、50枚しか配っていないのに、18件の注文になったとのこと。チラシを配らなかった一昨年の11件にくらべ、6割もの注文数が増えたと言うこと。そして、反応率が36%という、既存客向けと考えても、極めて高い数字になったということです。

 もっとたくさん配っていたら、反応率は下がったでしょうが、注文数は増えていたことになります。
 一旦注文して良かったとおもったお客様は、来年もまたご注文いただける可能性が非常に高くなる上に、日頃の買い物の売上げにも影響が大きいのです。

 これだけ反応率の高いお得意さまを持っていらっしゃるのですから、年末だけに限らず、特別限定商品を2、3ヶ月おきくらいに用意し、チラシを配るというアイデアもあります。50枚だったのを300枚にすれば、仮に反応率が多少落ちて20%になったとして60件。単価4,000円で24万円の売上。金額だけをみると小さいですが、チラシ300枚なんて、コピー機で刷っても3,000円もしないのですから、それと比べればいかがでしょうか。
 24万円も年4回だと100万円。5年で500万円にもなります。店を広げることもなく、新しい店を出すわけでもなし。作成は若干時間はかかりますが、刷ったものを手渡しすればコストはほとんどなし。店舗型営業の強みは、お客様の方から、自らやってきて下さるということですから、これを活かさない手はありません。

 リピート顧客がご商売の中心になっている方は、こうした、既存顧客向けの特別セールのチラシは効果的です。コピー機のようなもので、あまり多数刷っていないように見せるのがポイントです。手書きも重要なポイントです。

 年中やれますからね! 春はひな祭り、夏は夏バテぶっ飛ばせ! 秋は中秋の名月、冬は肉や餅。何でもOK! 旅行や車検など、何でもありです。

 店長はニュースレターの発行もはじめられましたから、これで信頼関係をさらに強化すれば、チラシの効果もあげられます。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」11号 2003年2月15日号より抜粋、加筆、要約)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ●プロが決して教えない効果が出る販促実例集

2008年05月16日

コンサルを受けて成功する顧問先経営者の姿とは

 販促コンサルサービスというのは、実に怪しい。やっている自分でも、外から見たら「怪しいと思うだろうなぁ」とマジで思います。
 何をやるのか、よく分からないから。
 うちの社員でさえ、「社長、コンサルなんて怪しいことやって、大丈夫なの?」と思われていたくらいですから。

 たしかに、「本当に、効果があるのか?」 「効果がないものを高く売りつけるんじゃないのか?」 「高いところから、これをやれと指導をするんじゃないのか?」 「難しい専門用語を使い、高度なテクニックで、誰も分からないことを、自分だけ分かったようにしてやるんじゃないの?」 とか、普通の人だったら思うに違いありません。

 でも、実際、そんなコトは一切ありません。

 コンサルが果たす役割というのは、実にシンプル。
 それは、顧客の状況を把握し、課題を抽出し、目標を設定して、実施すること。
 実施に当たっては、その方法を具体的に支援すること。
 まず戦略を決め、戦術に何を使うかも情報を複数提供します。どれを選択するかは顧問先自身が判断します。

 実は、その中でも、顧問先の状況の把握というのが、極めて重要なのです。
 なぜかというと、その中に答えがすべて詰まっているからです。

 今の事業を始めた経緯や、前職の状況、幼少期や学生時代の趣味や嗜好、お子様や家族の状況など、クライアント先の経営者個人の状況や、売上の推移、顧客の声、再注文の状況、新規と既存客の状況などの事業の状況など。
 自身が顧問先の経営者にどれだけ近づくことができるかが、ポイントなのです。

 そして、ほとんどの場合、顧問先様の口から、何が強くて、何が足りなくて、今これこれこういう状況でチャンスで、だけどリスクもあってと言うことから、何をやらないといけないのかということまでが、出て来ます。ご自身はやらないといけないことは、実は分かっている。けど、気がついていないだけ。また、口には出るけど、その重要度の順位がつけられていないといった感じ。

 もう少し具体的に言うと、やらないといけないことは理解しているが、何を何からどう始めて、何を目指せばよいのかが、イメージでは分かっているけど、具体的にまとめられていないと言う感じ。
 まとまっていないから、「これをやるぞ!」ということが決まっていないだけなのです。

 私は、人生そのものをすべて聞き出す、日経新聞の「私の履歴書」担当の記者になったようなつもりでインタビューします。中には、感動や懐かしさで涙することもあります。

 そうやって聞き出した結果、クライアント先様自身に、大きくて輝いている宝物があるのに、それに気がついていないので、掘り出そうともしていないことが分かってきます。

 それを見つけて、それを掘り出すための具体的なプランをまとめて、実施の支援をしていく。
 こんなイメージなのです。

 だから、この宝物さえ見つかればシメたもの。もう、この時点でもうほとんど成功を確信できます。

 しかし、私が成功を確信しても、お客様がそれを理解し、アドバイス通りに実行なさるかどうかで、成否が分かれます。

 素直に聞き入れていただけること。とにかく、アドバイスを信じて、私を信じて、やっていただけること。
 たとえ本業が大変でも、朝早く起きるなどして、何とか時間を作って、販促に関わる必要な作業を、遅れてでも良いので、やっていただけること。

 成功できた方がやったことは、包み隠さずお話しいただいたことと、アドバイスを素直に聞き入れていただいたこと。本当に、それだけのことです。

 本当に、私のクライアント先様には、頭が下がります。よくぞ、信じて下さいましたと。そして、結果が出るのに多少の時間がかかるのにも耐えていただきましたと。

 感謝あるのみです。ありがとうございます!
(08年5月16日 田上恭由)
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2008年05月15日

「自営業でうまく行った方法は、企業では使えない」と思っている経営者へ

 「それは、自営業さんの事例だよね」

 はい、その通りです。私の指導事例は、自営業や小規模企業の方のケースが確かに多いのは事実です。

 でも、商売の本質を突き詰めていけば、そのようなことが愚問であることが分かります。

 商品を買うとき、営業マンや店員が気に入らなかったら、たとえトヨタやNTTやソニーの商品でも買わないでしょう? ブランドの力で指名買いする人は、気に入らない営業マンや店員だったら、よその会社や店に行って買うだけでしょう?

 福岡でシェアが高い事業を行っている方で、先日そうしたブランドの力が自社にあるという過信をしていると思われるケースがありました。
 販促を成功させるという視点で、これはこうした方がよいなど、具体的に有効なアドバイスをしても、全く耳を貸さない。その結果、ホームページの問い合わせが激減。そのデザインだと、問い合わせは減りますよと、事前に何度もアドバイスをしたのにもかかわらずです。

 では、ブランドがあれば、高飛車でよいのでしょうか。否、ブランドがあっても、顧客視点は忘れてはいけません。

 あのIBMは、法人営業チームがあり、担当個人名でニュースレターをメールで送ってきます。それも、月に何通も。
 マイクロソフトも、最近はなぜか減りましたが、昨年まではいろんなものがメールでガンガンお知らせが来ていました。電話もかかってきて、「先日メールでご案内させていただきましたが」と言われても、マイクロソフトからはたくさん来るので「えっと、どのメール?」と聞かないといけない始末。それくらいたくさん出している。
 九州営業所だってあり、しょっちゅうセミナーや最新技術のプレゼンが行われています。

 ソフトバンクは、1台だけ携帯を持っているのですが、やはり年に2,3回DMが来て、お友達紹介5,000円キャッシュバッククーポンが入っている。ドコモは10年来のユーザーですが、請求書に最新製品の情報は同封されていますが、キャッシュバッククーポンなんてDMで来た試しは一度もない。

 会社の近所のセブンイレブンは、年に1、2度ですが、近所のオフィスを実際に回って、弁当の余りを無料で配っています。2月の節分前などは、恵方巻きのチラシを必ず持って回っています。

 いかがでしょうか。あの世界ブランド企業でさえ、シェアトップのコンビニさえ、このように、向こうからお客の方に近づいて来ているのです。
 いくら世界トップの生産高を誇り、経常利益が2兆円目前のトヨタだって、一人の営業マンがお客様に気に入られない限り、買ってもらえないのです。

 業績の良い会社は、決してブランド力に甘んじていないのです。ブランド力は、信用という、大きな資産ではありますが、決してそれがお客を連れてくるのではない。注文をもらうためには、お客の方に自らが近づいて行かなくては、決してお客から注文したいと言ってくれることは1000%あり得ないのです。

 もちろん、「どうやったらよいか分からない。」「なにをやっていいのか分からない」という方もおられるでしょう。私も最初はそうでしたし、今は月商1000万円の顧問先も皆さん同じです。
 「何をやれば良いのか?」と、近くの専門家に聞くことです。質問を適切な人に投げかけるだけで、親切に、かつ、的確にアドバイスが得られるのです。そして、そのアドバイスを、素直に取り入れ、実際に実行してみることなのです。

 実に簡単明瞭ですね、はい。

 近くに販促の専門家がおられない場合は、私でもよいし、ランチェスターの竹田陽一先生や、販促成功事例100連発の栢野先生、羽山プロジェクトの羽山先生などに、私の紹介と言って、電話しても大丈夫ですよ。懇切丁寧に、親切に教えてもらえます。
 もし、どれを信じて良いのか分からないのであれば、みんなとにかく聞いてみた上で、一人この人だというものを決めて、その人の意見だけを聞くようにして下さい。
 山を登るには、登山道は複数あり、それぞれ得意な道がありますが、目標は頂上というゴールであることに代わりはありません。

 ウソだと思うのなら、やってみて下さいね。本当ですから。素直に、聞く。やってみる。それだけです。

(08年5月15日 田上恭由)
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2008年05月14日

販促のすごいテクニックが存在すると思っている経営者へ

 効果のある販促ワザというのは、本当に「え、そんなことで」というようなことだったりするのが、販促の現場の真実です。80円の切手を貼った郵便物を送るだけで、何十万円もの広告料が前金で入金され、廃業を免れた人もいます。売上が1/3になった自営業の方も、私の指示通りに40通出しただけで、元に戻すばかりか、以前よりも営業方法が改善され、セールスが楽になったというケースもあります。
 ネットショップさんでも、私の指導でニュースレターをつくって、商品に同梱したり、メールで出しただけで、半年後に再注文客が2割以上も増えました。
 近所のゴマサバが美味しい居酒屋さんも、17年間ニュースレターを出し続けて、京都に住んでいる人が常連さんとして、毎月1回必ずカウンターに来ています。昨年は沢田研二が来たし、今年のオープン戦の最中の3月などは、巨人の1軍選手が、原監督はじめ12人も来たりなどしています。

 なにも、特別なコトはありません。ただ、ニュースレターを毎月、もしくは不定期につくって、お得意さんに郵送したり、メールで送ったりしただけなのです。他の店や会社がやらないから、お客さんの記憶に残って、再度注文されたり、再来店につながっただけです。

 それ以上、何がいるのでしょうか。囲い込み? ロイヤリティ(忠誠心)? オプトイン? ダイレクトレスポンスマーケティング? ITの活用? データの分析? セグメント化? 
 はい、それも重要なことですが、まだ何もやっていない人は、すべて忘れて、とにかく既存のお客さんに、ニュースレターを出してみてはいかがでしょうか?

 繁盛しているコロッケやさんでは、重さを量った後、「おまけしておくね」と、おばちゃんが一個余分に入れてくれたりなんてことをしているという話しを聞いたことがあります。
 私の会社の創業時、机を買った中古事務家具屋さんなどは、大学ノートに過去購入したものや、エレベーターの大きさ、事務所の地図などが、手書きで書かれています。たったそれだけのことなのに、顧客である私は、この中古屋さんの信頼度がグンと上がりました。
 マクドナルドも、コーヒーしか頼まなかったら、100円のアイスや、シェイクを勧めてきます。
 どれも、難しいことはないですよね。今日からでもできるようなことばかりですよね。

 現在指導中で、2年前から売上減少に苦しんでおられたネット販売会社さんも、まずは既存顧客の流出防止のために、2ヶ月に1回のニュースレターを作成し、商品に同梱したほか、メールで送信。半年後に、25%程度の既存顧客の売上増という結果が。この増加分に、SEO対策による新規売上増も実現し、V字回復ができました。
 既存顧客の流出防止ができたからこその成果。その最初のステップが、ニュースレターによるものなのです。

 さあ、何をやって良いか分からないと言う経営者のあなた。
 なにも言うことはありません。今すぐできることから、すぐに始めて下さい!
 やってみたら、結果が出ますから、いろんなコトが分かってきますよ!
 もし、何をやって良いのかが分からない時は、遠慮なくお電話下さいね。
(08年5月14日 田上恭由)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 06:00| Comment(52) | TrackBack(0) | ●なぜ、この販促手法は効果が出るのか。

2008年05月13日

タクシーの値引き競争が教えてくれるモノ

 最近のタクシーは、会社によって初乗りの運賃や、5,000円以上の料金の値引率が異なっています。初乗り590円が、350円だとか、5,000円以上は3割引とか、5割引などと、大きく書いてあります。
 迎車の料金が無料なのも、当たり前になりました。

 ある会社で、この初乗りの値引きを行ったところ、無線の呼び出し回数が2割も増えたそうです。

 さて、この値引き競争、やっている意義があるのでしょうか? 私はかなり疑問を感じます。
 流しのタクシーを捕まえる場面においても、駅の乗り場で乗るにしても、価格が安いモノを選んで乗る、というのは、極めて難しいです。目の前に止まったタクシーが、たまたま350円の初乗りの会社なら良いけど、走ってくるタクシーの値段を、手を挙げる前に判断するのは、まず困難です。
 また、5,000円以上は3割引と書いてあっても、実際に5,000円以上もタクシーに乗る人なんて、どれほどいるのでしょうか? 東京や大阪ならいざ知らず、福岡なら、せいぜい3,000円〜5,000円。遠くまで乗る人なんて、一部の人や企業に決まっているのですから、せいぜい支払う金額が減って、喜んでいるだけでしょう。

 それに、5,000円以上の遠距離料金が安くなるといって、「よし、今度遠くに行くときはタクシーにしよう!」などという人が出てくるのでしょうか? それもまず考えにくい。タクシーの場合、値引きによる需要の喚起は難しいと言わざるを得ません。

 大学時代、アルバイトしていた中洲のジャズクラブで、来客の減少を少しでも食い止めようと、社長の指示のもと、店長が1800円のチャージを、1500円に下げたことがありました。しかし、厨房のマスターは、「300円下げるくらいなら、タバコの1箱でもサービスした方がよっぽど気が利いてるよ」と、怒っていました。
 実際に、300円下げたからと行って、来客は増えなかったし、お客さんから感謝されるなどと行ったことは、一件もありませんでした。

 まさに、この厨房のマスターの一言は、この価格競争の意味のなさを、表現しています。
 値段を下げたって、お客さんに下げたことを知らせなければ、意味がないのです。それも、来店前にです。
 300円のチャージが下がったからと言って、ジャズクラブに来るお客様のうち、喜ぶ方は、一体何人いるのでしょうか? まず、いないでしょう。300円安いからと言って、別の店に行くのをやめたり、真っ直ぐ帰ろうとしているサラリーマンたちの中に、「よし、今日はチャージが300円安くなったから、あのジャズの店に行こう」というお客様はいらっしゃるでしょうか? ジャズクラブに行く理由は、300円安いからではないですよね、決して。

 そして、この厨房のマスターは、「常連のお客様に、「いつもおいでいただいている方へのサービスです。」と言って、いつも吸っている銘柄のタバコをプレゼントしたほうが、よっぽど気が利いてるよ」と言いました。
 もしこれを本当に実施していたら、(タバコを吸っている客だけではありますが、)マスターの気遣いにお客様は感激したことでしょう。いみじくも、直接接客しない厨房のマスターの方が、顧客の気持ちをよく分かっていたのです。

 先日乗ったタクシーは、小さなほっかいろ(使い捨てカイロのミニタイプ)をプレゼントしてくれました。寒い冬だと、うれしいですね。なんとも気が利いています。新聞や飴をおいているタクシーもあります。なんだか、そういう些細なオプションが、嬉しいじゃありませんか? 
 それを続けていると、そのうちに
「携帯番号教えてよ。中洲の帰りに呼ぶから」
という客が、一人、二人と出てくる。そして、その固定客が少しずつ溜まっていくと、ムリに流さなくても、そうした固定客のお陰で、1日の売上が5000円くらい上積みされ、付きの売上が5万円以上も変わってくる。福岡のタクシーの月間売上平均は30万円だか40万円だかと聞いてますが、5万円は10%以上になる。

 値引きをしても客は増えず売上を落とします。300円が100人で3万円の減収です。
 しかし、値引きの代わりに、些細なオプション(あめ1個で5円もしないでしょう。新聞を置くのだって、自分が読んだのを置いておけばいいので原価はゼロ)をすることで、長期的に固定客ができ、気がつくと、値引きした店と大きな差がつく。

 繁盛店と貧乏店の違いは、本当に、こんな些細なところだったりするわけです。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」11号 2003年2月15日号より抜粋、加筆、要約)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 09:53| Comment(0) | TrackBack(1) | ●業績アップ企業が心がけていること

2008年05月12日

買い物かごは自社ドメインでは運用せず、ASP会社のドメインで運用する

 買い物かごを使った商品販売サイトは、買い物かごの部分をASPサービスを利用し、かつ、自社ドメインではない、ASP会社のドメインで運用しよう。
 買い物かご会社のドメインで運用されているショップの被リンクが多いため、あなたの商品が、SEO対策で有利になる。
 当社の顧客では、いくつもの商品が1位、2位表示されるようになった。同業の楽天よりも上位に来るケースもあった。

 なお、商品販売サイトのトップページやコンテンツは自社ドメインで作る。こちらはどこのホスティング会社でもよい。

 なお、今回、実証できたのは下記の買い物かごサービス。

商品ページ MakeShop
(申込みページはこちら)


1年未満のドメインでも、5年以上古いライバル会社のサイトや、楽天よりも上位に表示された例もある。

2008年05月11日

コンビニもニュースレターを出している!

 近所のセブンイレブンが、昨年ニュースレターを発行しました。なかなかのできでした。
 まず、女子店員が書いたと思われる、手書き。そして、商品のコピーを、切り抜いてただ貼っただけという、手作り感。そして、その商品のすばらしさを、これまたこの制作者の言葉で語っているコピー。お知らせコーナーでは、FAXが全国50円で送れるなどと、さりげなく売り込み!

 この手書きのニュースレターというか、商品の売り込みしかないのですが、何とも味のあるというか、女の子特有の丸文字で書いてあると、不思議に売り込まれ感が消え、いっしょに笑っちゃいそうな気にさせられるから不思議です。
 うちの女子社員も、お菓子が大好きなので、見入っていましたからね。

 同じ物が、活字で、プロの手できれいにレイアウトされていたら、ここまで眺めません。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」10号 2003年1月15日号より抜粋、加筆、要約)

2008年05月10日

5歳児でも、手紙には心寄せる!

 1月13日の成人の日、5歳の息子に、「夕方6時に帰ってくるから、一緒に遊ぼう!」と約束して、休日出勤しました。しかし、結局仕事が終わらずに、6時どころか、翌朝2時ごろの帰宅となってしまいました。おまけに火曜日は大阪へ出張のため、朝6:30の新幹線に乗らなくてはなりません。そして、木曜日の深夜まで、帰って来ません。
 案の定、「パパが帰ってこない! 遊ぼうって約束したのにー! えーん!」と、8時ごろべそをかき出したとのことでした。

 約束を破ったパパとしては、顔を合わせられないので、謝ることもできません。そこで、家内の助言もあって、手紙を書くことにしました。

ひろくんへ

 ごめんね。かえりがおそくなってしまて。ひろくんとあそびたかったけど、どうしてもおわらなくって...。
 パパ、おしごとのすすめかたが、おそいから...。ほんとうにごめんね。
 もくようびの夜かえってくるね。おみやげかってくるからね
ぱぱ

 紙は、会社で使っているメモ用紙に、走り書きのように、ボールペンで書いただけのものです。ほんとうはもっとたくさん書きたかったのですが、あいにく手がつかず、やっとかいたものでした。

 これを、テーブルの息子のすわる場所に、置いておきました。

 私は、たったこれだけのことなので、すっかり忘れていましたが、二日後、家内からのメールをホテルの部屋で深夜読んで、涙が出てきました。

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宏樹は、あなたからの手紙を毎日何回も何回も見ています。
読めるのかどうかわかりません。
一度「読んで」といわれたので憶えたのかもしれません。

昨晩は、ばーばが風邪のため、泊まらずに帰りました。
昨晩も、今朝も、大切にしていました。
そばで見ていて、ジーンときます。
手紙をしたためるのはいいかもですね。

ちなみに、「お土産かってきますって、どんなのかな」
これにも、わくわくしていますから(笑)

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 「手紙」の力に、驚きましたよ。たった5、6行のメモ紙ですが、息子は大事に大事に、壁に貼って、眺めていました。

 もちろん、息子がかわいいと思ったことは言うまでもありませんが、会えない相手に、「手紙」を書くというのは、これほどまでに存在感があるものかと、思い知らされたのです。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」10号 2003年1月15日号より抜粋、加筆、要約」)

質の良いアルバイトが集まる求人広告のデザインとは?

 アルバイトやパートの活用は、今や必須の業界のノウハウです。特に、店舗や飲食店の方は、当然ながらバイトなしでは商売が成り立ちません。
 では、法人営業をやっている企業では、どうでしょうか? もちろん、いるといないのとでは、大きな差が出てきます!
 たとえば、雑多な仕事。いつかやろうと思っていた、DMを打つ先のリスト入力や、DMの印刷、ホチキス、封入、封印、切手貼りの作業。これはテストのうちは自分でやっても良いですが、アルバイトの手を借りてこなした方が当然ながら、効率が良いわけです。
 また、お使いや電話とり、買い物、少額の振込や記帳なども、アルバイトの手に任せる方が、その間に本来するべき仕事に集中できて、効率がグンとアップします。
 社員を雇うと、コストは1日2万円から3万円くらいは若手でもかかりますが、一日5、6000円程度で済みます。社会保険や雇用保険なども不要です。アルバイトをする側にとっても、バイト料をもらいながら、社会勉強できます。
 このようなことから、当社では、バイトの力無くしては、業務が成り立たないくらい、手を借りまくっています。

 さて、このアルバイトですが、質が問題となります。どんなに安い時給で雇えても、使いにくいアルバイトを採ってしまうと、仕事が全然はかどりませんし、人間的な部分でかみ合わないと、仕事を教える気にもなりません。いっしょに職場にいることさえ、イヤになってしまいます。気軽に採用できるとしても、この部分を最低限守れる人材を採らないと、全然仕事がはかどらない結果となります。

 質の良いアルバイトだと、任せた仕事がはかどるだけではありません。中には仕事を覚えて、社員になってくれることもあります。当社にはそうして社員となったケースが複数ありますが、いずれも貴重な人材として、定着してくれています。

 さて、このように、会社の運営を効率よくしていくためのアルバイトの採用には、私も頭を痛めてきました。はじめてアルバイト採用の広告を出した3年前などは、たったの3人しか問い合わせがなくて、3名とも採用したことすらありました。
 しかし今回、56,000円で「週刊an九州版」に2週間連続で4回掲載して、前回の約8倍の23件もの問い合わせがありました! CPIは2434円。大ヒット作です!

 まず、目立って、親しみも持ってもらうために、以前から使っていた、スタッフ全員の似顔絵を持ってくることにしました。社長自身を真ん中にして、いっしょに呼びかけているような雰囲気をつくりました。これを相談したanの担当女史もえらく喜んでくれて、これはいけるかも、という雰囲気となりました。
 そして、タイトル。これは、似顔絵があるから、特にこらずに、簡単な言葉で、話しかけるように、コピーを作りました。「私達を手伝ってくれませんか?」。次に、私は弱冠36歳で、若くて、社員も若い人ばかりという点を強調し、敷居を低くするために、「社長36歳が最年長。若いスタッフばかりの働きやすい職場です」としました。

 次に、「データ入力等でパソコンの操作をより上達させたい方には最適なバイトです。(バイトの方にもメールアドレスがありますヨ)という、バイトに来た上に、自分の能力が高まるという期待を持たせました。そして、実際の現役バイト生に、どうしてうちのアルバイトを選んだのかや、他のアルバイト場所と比べて、うちのバイトはどの点が良いかを尋ねて、「飽きが来ることがない仕事ですネ」、「時間内でできる分だけ仕上げればいいから、楽しく仕事ができます」といった、今回募集する相手と同じ視点を持っている人の声を載せて、社内の仕事のイメージを、明確に持ってもらえるようにしました。(これが、ダイレクトセールス広告で言うところの「お客様の声」に相当します)。

 今回のコピーのほとんどは、今回私ではなく、管理や人事を担当する私の家内が、今回は作りました。

 実際に面接に来たアルバイトに聞いてみたところ、やはり似顔絵で親しみ易かった点はポイントが高かったとのことでした。最近の若者は、厳しいことや自分と離れた世代の人間とのつきあいをあまり好まない傾向にあり、その代わりに、居心地の良さや気楽さ等が求められているようです。スタッフ全員の似顔絵求人広告は、そうしたポイントにはまったようです。

 面接するアポイントが入ったのは16人で、ドタキャンを除いて実際に面接したのは10人。6人のうち、3人はキャンセルの電話もなし。こんな失礼な人がそれほどいるのは、求人誌営業担当女史曰く、「だいたいそんなもんです」。こんなことに、はじめて気がついたのも、これほどたくさんの問い合わせがあったから。採用は2人で、なかなか良い人材が採れました。早速来てもらってます!

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」8号 2002年11月15日号より抜粋、加筆、要約」)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 21:31| Comment(322) | TrackBack(0) | ●プロが決して教えない効果が出る販促実例集

FAX−DM6万通で分かったこと

 10月30日現在、現在会員数は57社となっております。今年の3月に開始した当会も、今月初めまでは、37社でしたが、今月だけで20社も増えました。
 月平均5社だった入会数が激増した秘密はいったい何なのでしょうか? それは、なんとFAX-DMなのです!

 FAX-DMはすでに法人営業での効能をお知らせしました。法人営業では、画期的に効率よく、見込み客を獲得できます。どこにも出かけることなく、「僕は興味がありますよ」と手を挙げてくれるわけですから、ドブ板営業のつらさに比べれば、こんなに楽をしても良いのだろうかと思ってしまうくらいです。
 
 さて、今月は、約6万通ほどのFAX−DMを実施しています。すでにおおかた打ち終わり、結果も出つつあります。 無料のレポート請求者を募る方法は、たいへん効果が高いですから、ぜひ、マネしてみてください。

 では、具体的に。最初は、電子電話帳2002のFAX電話帳から、役所や営業所などをはずし、本社と見られる先だけ、出しました。場所や文面にもよるのですが、0.8〜1.68%程度の打率で返信されきました。しかし、不要の返信がそれより多く1.2倍くらい多くありました。
 そこで、返信されてきた社名をチェックしてみると、漢字だけの社名だと、「不要」にチェックがついて返信される率が高い上に、注文の打率も低いことが分かりました。そこで、実際に検証してみると、次の通りとなりました。

山口県の場合
漢字だけ 到達数 返送数 返送率(%) 不要数 不要率(%) 返送・不要数倍率 CPI(円)
含む 4976 43 0.86 59 1.12 1.37 1620
含まない 3088 35 1.13 31 1.00 0.89 1235
上の差 1888 8 0.42 28 1.48 3.5 3304

 漢字だけの社名をはずすと、はずさないときに比べて、0.86%から1.13%へ、0.27%だけ打率が上がります。不要の数は、59件から31件と、約半分になり、CPI(1資料請求者を獲得するのに、かかったDMコスト)は1,620円から、1,235円へと、23%下がりました。
 そして、漢字だけの数をはじき出し、それだけにDMを打った場合にどのような率になるかを計算してみました。すると、1,888件の着信数に対し、8件の返りしかなく、打率は0.42%となりました。しかし、不要の数は28件と、請求者の3.5倍にも登ります。漢字を含まない先にだけ出すと、返送数35件に対し、不要数31件で終わり、たったの0.89倍分しか帰ってきません。つまり、必要と思っている人に対して、不要だと思っている人の数が圧倒的に多い、と言うことになるのです。

 と言うことは、漢字だけの社名の会社は、ファックスDMに興味を示す人の割合が、漢字以外に一文字以上かなやカタカナ、アルファベット等を含む会社で興味を示す人の中に比べて、が、37%しかいない、と言う結論となります。このため、CPIが、漢字だけをはずした社名に出すと、1,235円で済むのが、漢字だけの社名に出すと、3,304円と、3倍近くかかってしまうのです。
 8件の反応は取れなくはなるのですが、CPIが3倍近くかかってしまう先は捨ててしまった方が、FAX-DMの広告効果としては高くなるのです。

 漢字だけ社名をはずすプログラムは、最初人海戦術でやっておりました。もちろん、役所や病院などの、FAX-DMの発送先として適当でないところも含めて、リストから削除しました。ただ、人海戦術だと、2万件のリストを処理するのに、一人で半日から1日かかってしまいました。電子電話帳2002のFAX電話帳には、特定の語句を含む社名をはずす機能は付いていますが、漢字だけの社名をはずす機能は付いていません。
 そこで、プログラムを自作して、5分ほどで処理できるようにしました(ニャンダーは、もとプログラマーなので、こうしたツールは得意なのです。ただし、半日かかったので、土曜日に出勤して、休みをつぶしましたが...)。

 もちろん、ここから先の注文率に関しては、まだデータがそろっていません。次回以降で、また報告したいと思います。

 先日ファックスDM送信会社の営業マンと話をしていたら、みなさん結構打率が悪くて苦労されているとのことです。なぜ当たらないかというと、みなさん、初回で売ろうとしているから、ということで、お互いに意見が一致しました。
 私の会社にも結構FAX-DMがやってきますが、「これは」というものには、ほとんどお目にかかりません。返信しよう、と言う気にならないのです。
 私のように、「無料でレポート差し上げます」と出しても、5,000人に一人は、すごい剣幕で電話をかけてきて、怒られますから、そうした有料販売DMは、もっと高い率で、怒られるでしょうね。
 それで、めげてしまって、続かないのかな...。

 でも、真剣に「面白いご連絡ありがとうございます。よろしくお願いします」と手書きで丁寧に書いて頂いた返信を見ると、「うーん、この仕事やってて良かったー」と、まだ会員になっていらっしゃらなくても、嬉しくなりますよ。

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」7号 2002年10月15日号より抜粋、加筆、要約」)
posted by がみぽん(旧:ニャンダー) at 21:30| Comment(5) | TrackBack(0) | ●法人客向けファックスDMの実例

文章は書き手の癖をそのまま活かそう

 次に、文章です。これに苦労される方がたくさんいらっしゃいます。私だって、そんなに得意な方ではありません。最低5回は修正が入りますし、家内には「主語がない」「文章がおかしい」と、何度も指摘をされるような文章です。
 ご心配要りません。今は、ワープロという武器があります。とにかく書いてしまえば、直しはいくらでも効きます。躊躇せず、ドンドン書いて、あとで直しましょう。

 それから、書き言葉は、話し言葉が良いようです。私のこのニュースレターのように、語り口調。ですます調です。あたりがソフトになり、読み手がすんなりと入りやすくなると思います。(反面、断言しても、強く伝わらないので、もどかしい面もあります)

 次に、タイトル。会社が出していることをわかりやすくしようと、社名や店名をつけては、チラシと同じ扱いを受けます。これも、先の、自分の会社や店が、扱っている商品が、どのようなシチュエーションで使われると、もっともよいと思うのか、もしくは、もっとも嬉しい状態であるかを、まずは考えてみましょう。
 その、もっともすばらしいと思うものを、タイトルに含めてしまえばよいのです! たとえば、「おいしい通信」とか、「ニコニコ新聞」、「元気で健やか新聞」など、いいイメージを抱かせるタイトルです! これ考えるのって、楽しいですよ!

 では、あなたのチャレンジを待っています! 

(田上恭由執筆「商売繁盛デザイン研究所 ニュースレター」10号 2003年1月15日号より抜粋、加筆、要約」)